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自分を殺さずイキイキ働きたい! 志望動機が不明確で面接に落ちる女性
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一生懸命転職活動に取り組んでいるのに、なかなか書類が通らない、面接で落ちてしまう…。理由がわからず、思い悩んでいる人はいませんか?もしかしたら、「これが正しい」と思ってやっていることが、NGだったのかもしれません。自分では気付かない意外な原因を、リクナビNEXTの名カウンセラー、Dr.門野がズバリ診断します。悩める子羊よ、集まれ!
Dr.門野(以下、D):まずは「出る理由」。これは、前職を辞めた理由です。書類の段階で、この説明がされていないのが気になりますね。森尾さんの場合は、留学のために十分な就職活動ができなかった、入社後に方向性の違いに気づいた、労働環境が厳しすぎた…という「出る理由」が明確なのですから、書類でしっかり書いておきましょう。
相談者(以下、相):辞める理由を書くと、ネガティブに捉えられませんか?
D:森尾さんは厳しい労働環境の中で、やり切って成果を出したという「実績」があります。これが何よりの強みです。決して「逃げの転職」ではないのですから、書類の段階で書いておいたほうが、面接がスムーズに進みますよ。やりたいことがわからぬまま、英語力が活かせるというだけで就職先を決めた。でも、労働環境があまりに厳しく、事前の研究不足だったと入社後に気づいた。しかしその中、自分なりに1年間頑張り抜き、成果も挙げることができた。だから次のステップに進もうと決意した…。このように記しておけば、出る理由が明確に読み手に伝わります。
相:確かに…。
D:次は「入る理由」を明確にしましょう。つまり「志望動機」のこと。英語を使う仕事はたくさんありますが、なぜ貿易事務がいいと思ったの?
相:英語の読み書きは得意なのですが、ビジネス会話はまだ不安があるので、外資などでバリバリ働くイメージは湧きません。そして、いくら英語を活かせても、営業は労働時間が長いイメージがあるので避けたいと思っています。今持っている力で、無理せず長く働けそうな仕事…と考えたら、貿易事務だったんです。
D:うーん、自分の中で無理に折り合いをつけているように感じますね。そもそもなぜ、仕事で英語を使いたいと思うのですか?
相:海外の人とコミュニケーションを取るのが、純粋に楽しいからです。日本人同士だと、なかなか本音で話しにくいものですが、海外の人は違います。本音をバシバシ言うし、歯に衣着せずに批判も言うけれど、今まで気付かなかった視点を得られるし、刺激を受けるんです。前職では、相手に合わせ、周りに合わせて、自分を抑えながら頑張り抜いてきました。だから今度は、海外文化に触れられる環境で刺激を受けながら、自分を殺すことなく、イキイキ働きたいと思ったんです。
D:なるほど。そう言われたほうが納得感がありますね。「このような環境で、仕事がしたい。だから、得意の読み書きを活かせる貿易事務を志望しました。ゆくゆくは、海外に関わるどんな仕事にもチャレンジし、スキルアップしていきたい」と伝えれば、立派な志望動機になります。ぜひこれを、書類の段階で書いておきましょう。先ほどのように「今の力が活かせる範囲で…」などと言われると、森尾さんの年代の最大のウリであるポテンシャルが伝わりませんからね。今は会話に不安を感じていても、入社後にどんどんいろいろなことに挑戦して成長していきたい!という意欲を伝えることが大切ですよ。
相:…成長したいという思いはもちろんあるのですが…実はそれを言葉にするのがすごく不安なんです。成長するためには、また過酷な仕事に耐え、乗り越えなければいけないのではと思うと、本当にこわくて…。またあんな毎日を経験するぐらいならば、成長したくないとすら思ってしまいます。
D:1年間、本当にお辛い中、頑張って来られたのですね…。ただ、企業側から見れば、成長意欲のない人に何年も同じレベルの仕事をされては困ってしまいます。成長意欲に欠けると思われてしまっては損ですよ。それに、どんな仕事にも、その仕事ならではの成長の仕方があります。例えば、毎日同じ伝票処理の仕事だったとしても、「質の向上」や「時間の効率化」に務め、それを実現したときに「成長」があります。どうか成長という言葉を怖がらないでください。それに、過酷な労働を強いる会社は、今のご時世、ごく稀ですよ。たとえ、森尾さんが別の会社の営業職に就いたとしても、「ああ、前職より楽だ」って感じるのではないかな(笑)?
相:そうですか?(にっこり)
D:いいですね。面接でもぜひ、その笑顔でいきましょう。次の環境に構え過ぎることなく、肩の力を抜いて。「今が本当の就職活動期間なんだ」と考え、いろいろな企業を見てみるのもいいかもしれませんよ。
自分でも、「こんな志望動機でいいのか」とモヤモヤしていましたが、今回Dr.門野に指摘されて明確になりました。出る理由と入る理由の部分も、とてもわかりやすかったです。書類に書いておくことで、面接でも話しやすくなりそうですね。もう一度、仕切り直して頑張ってみます。(森尾さん)