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人間関係のストレス 悪化している原因を発見する方法とは?

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

人間関係のストレス 悪化している原因を発見する方法とは?

更新

上司、同僚…職場の関係性、なぜ悪い?人間関係の悪化原因を解明するための9つの方法:第1回(全3回)

仕事をするうえで、大敵といえるのが人間関係のストレス。周りとの人間関係がうまくいかず、ストレスを感じてしまった時、その理由をじっくり考えてみたことはあるだろうか。自分自身の行動や発言を振り返ってみることで、関係が悪化してしまった原因を突き止めることができれば、今後よい関係を構築していくための対策も考えられるはず。今回は人間関係が悪化している原因を発見するための思考法/行動術を、3人のプロにうかがった。

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株式会社グロースサポート

代表取締役 木村英一氏

NEC、外資系コンサルティング会社を経て、複数のベンチャー企業の経営に参画。その後、人と組織の生産性を向上させる思考・行動法に出会い、コンサルタントに転身する。脳科学、行動科学、心理学の要素を取り込んだ生産性向上と、組織と個人の思考・行動変革を促す「加速成長プログラム」を考案。コンサルティングのほか、研修・セミナー講師など幅広く活躍中。著書に『ストレスゼロの仕事術』(阪急コミュニケーションズ)など。

心理カウンセラー

心屋仁之助氏

大手企業で管理職として働いた後、心理療法を学び始める。心理療法やNLP・コーチングの手法を採り入れた独自スタイルのカウンセリングを行うかたわら、「性格を変える」「自分を好きになる」をテーマにしたセミナー活動なども展開。これまでに1000人以上のクライアントをカウンセリングする。著書に『人間関係が「しんどい!」と思ったら読む本』(中経出版)など。

臨床心理士、カウンセラー

向後善之氏

石油会社でエンジニアとして勤務した後、40歳で退職。アメリカ留学し、California Institute of Integral Studies(CIIS)で統合カウンセリング心理学修士号取得。同大学院修了後、現地でカウンセラーとして勤務した後、帰国。現在はカウンセリングオフィス「ハートコンシェルジュ」でカウンセリングを行うほか、アライアント国際大学で臨床心理学を教えている。著書に『人間関係のレッスン』(講談社現代新書)など。

思考・行動変革トレーニングのプロ・木村英一氏に聞く

■苦手な人と「こういう関係になりたい」と目標設定する

ストレスには2種類あります。いいストレスは,行動を促す原動力になる、「パワーに変えられる」ストレスです。一方、悪いストレスはやる気を削ぎ、心身に多大なダメージを与えます。後者の悪いストレスは、場所を変えればなくなるわけではありません。一度乗り越えていかない限り、どこにいても繰り返し起こるものなのです。

人間関係のストレスの場合は、ストレスを感じている相手との関係において「こうありたい」という目標を設定しなおすことが、一番の原因追及のためのヒントになります。例えば上司と関係が悪くなり始めた場合、「どういう関係になればいいのか」を考えてみるんです。「朝、あいさつをして、返してもらえるような関係になる」といったことで構いません。目標設定できたら、「なぜ今あいさつできる関係になれないのだろう」ということを深く考えてみましょう。今、関係が悪化している原因が見えてくるはずです。

■今やっている仕事と期待されているレベルとのズレを認識する

仕事のアウトプットに対する認識の違いが、人間関係を悪化させる原因になっているケースもあります。職場の人間関係でストレスを感じる根っこになるものは、「自分に期待されていることがわからない」ことへの不安によるものが多いのです。自分のしている仕事が本当に求められているものなのか、ふたを開けてみて「そうじゃない」と言われたらどうしようという不安です。そういう「期待値のズレ」が生じないよう、今やっている仕事が本当に求められているものなのか、評価をする人に常に確認しておくことが大事です。上司がどんなアウトプットを求めているか、すり合わせた内容については紙やメールなどで形に残し、関係が悪化していると感じた際には、その内容を確認し、関係が悪化している原因となっているかどうかを探ってみましょう。

■自分の「悪い点」「改善すべき点」を近しい人に聞く

人間関係を悪化している原因を探るためには、自分を知ることは大前提です。最も良い方法は、できるだけ多くの人に「自分の悪いところ」「自分が改善すべきところ」を聞くことです。仲のいい人だけでなく、別の部署の上司や、一緒に仕事をしている取引先の人などでもいいでしょう。ただし、「実は○○さんとの人間関係に悩んでいて、その原因を探るために教えてほしい」とは決して言わないこと。親しい人ほど、同情されて終わりになってしまうからです。あくまで「今後、自分が成長するための糧にしたいので教えてほしい」というふうに意見を求めることです。いろいろな立場の人の客観的な意見は、面白い発見につながるでしょう。自分の考えに偏りがあることを確認できたり、立ち居振る舞いにどんな問題があったかを気づくきっかけになるはずです。

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