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【ジャンプ】葛西「金より困難」 W杯総合優勝へ虎視眈々

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【ジャンプ】葛西「金より困難」 W杯総合優勝へ虎視眈々

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 ≪ソチ五輪後初戦 執念の3位表彰台≫

 ソチ冬季五輪のノルディックスキー・ジャンプ男子ラージヒルで銀メダル、団体で銅メダルを獲得した41歳、葛西紀明(土屋ホーム)が、新たな“レジェンド(伝説)”に挑んでいる。狙うは、ソチで取り逃がした金メダルよりも「難しい」と自らが言うワールカップ(W杯)個人総合優勝。日本勢は誰も手にしたことのないタイトルだが、現在総合3位に付け十分に射程圏にとらえている。2月26日にスウェーデンのファルンで行われたソチ後初戦となる第21戦で葛西は今季5度目の表彰台となる3位に入り、まずまずの再スタートを切った。

 残り7戦、逆転狙う

 霧雨の中、鋭く飛び出した1本目。これ以上飛ぶと危険なヒルサイズ(HS)まであと1メートルに迫り、ジャンプ台の最長記録を更新する133メートルを飛んで、2位につけた。ところが、着地で右膝を痛めた。

 「あんなところに落とし穴があるとは思わなかった。雪が軟らかくて(スキーが)埋まって、(膝が)ぐにっとなった」という。

 足を引きずらないと歩けないほどの痛みを抱えて臨んだ2本目。「飛んだ瞬間にだめだと思った」というが、130.5メートルまで粘り、2本合計で248.8点にまとめて、執念で表彰台に上った。

 「膝を痛めなければ、いい勝負ができたんじゃないかな。五輪に向けたような体づくりをして、万全な感じだった。優勝する自信も満々だったので残念」と、悔しさを口にした。

 優勝は、合計266.1点のセベリン・フロイント(ドイツ)で今季2勝目。2位には、ペテル・プレブツ(スロベニア)が入り、個人総合得点ランキングで首位に立った。総合3位をキープした葛西との差は182点に広がったが、残り7戦あり、十分に逆転は可能だ。

 「悔しさは忘れない」

 葛西は1992~93年シーズンに総合3位の経験があるが、このときは「最終戦で大失敗しての3位。悔しさは忘れない。そのリベンジをしたい」と、雪辱に燃えている。

 今季の優勝はW杯史上最年長記録を更新した今年1月の第13戦の1回だけだが、上位は混戦模様で誰かが連勝して抜け出すのは難しそう。葛西も「最後までもつれる」とみている。残り試合は、「できるだけ表彰台に上がること」と、日本人初タイトルへのシナリオはしっかりとできている。

 試合後は、膝の治療に万全を期すため早々に会場を引き上げた。終盤もつれればもつれるほど、百戦錬磨のベテランの経験が強みを発揮する。新レジェンドへの視界は良好だ。(SANKEI EXPRESS

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