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科学
【Q&A】STAP細胞論文 撤回なら白紙 第三者の再現が鍵
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STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)の主論文の著者=2014年3月16日現在 理化学研究所は、STAP細胞の論文に重大な間違いがあったとしていったん撤回を求め、意図的な不正があったのかはさらに調査を続けると表明しました。
Q STAP細胞論文に何があったの
A 小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーらのチームが1月末、マウスの血液中の細胞を弱酸性の液に漬けると、どんな細胞にもなれるSTAP細胞に変身すると英科学誌ネイチャーに発表しました。しかし、2月には論文に不自然な画像や記述があることが分かり、理研が調べていました。
Q 調査の結果は
A 別の実験をした博士論文と同じ画像が使われるなど、ずさんな論文だとしました。撤回する方向で調整していますが、悪意のある不正かどうかはまだ分からず、調査を続けるとしています。
Q 論文の撤回って、どういうこと
A データや画像で、論文の根幹に影響しないミスであれば訂正する場合がありますが、データのでっち上げや論文の結論が通用しなくなる重大な誤りの場合は論文そのものを取り消します。撤回には原則、論文に名を連ねた研究者全員の同意が必要で、科学誌側が最終判断します。今回の場合は、まだ同意していない人もいるようです。
Q STAP細胞はなかったの
A 論文が撤回されれば、研究成果は白紙に戻ります。一方で研究チームの中では細胞は実際にできたと考えている人もいて、論文の修正案をネイチャー誌側に送っています。科学研究の成果は多くの研究者が再現できることで本当だと認められていくため、研究チーム以外の人でも今後、実験で同じことをやってみせられるかが重要です。
Q できるのかな
A チームは、第三者の研究者がSTAP細胞を再現するのに役立つように、こつや注意点を書いた手順書を3月に公開しました。論文の発表後に寄せられた疑問への回答も準備していましたが、もともとの論文が撤回の方向となったため、公表しづらい状況になっています。当初、「簡単だ」と言われた割には技術が問われる実験でもあり、成功例は出てくるとしても数カ月後との見方があります。
≪8人が作業分担 全体像見えず≫
英科学誌ネイチャーに発表したSTAP細胞に関する2本の論文には、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーら計14人の著者が記載されている。STAP細胞作製を報告した主論文では8人が実験や論文執筆を分担していた。
その一人、若山照彦山梨大教授は取材に対し、分業で作られた論文にさまざまな疑義が指摘されたことに「自分が実験した部分には責任があり自信があるが、(論文全体が)どこまで正しいか、よく分からない」と複雑な心中を明かしていた。
8人のうち、以前、理研チームリーダーだった若山氏を含め、4人が理研の所属。小保方氏が早稲田大在学中、米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授の下に留学した際の実験がSTAP細胞作製のきっかけとされ、ハーバード大の3人が著者に含まれる。もう一人は小保方氏を学生時代に指導した東京女子医大の大和雅之教授。
論文の責任者は小保方氏とバカンティ氏で、執筆したのは、小保方氏と理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長。関係者によると、笹井氏は全体を統括し、中核的な役割を果たしていたという。
STAP細胞の詳細な性質を調べる実験には幹細胞の専門家、丹羽仁史・理研プロジェクトリーダーが関わった。STAP細胞をマウス胚に移植する実験は、若山氏が担当した。(SANKEI EXPRESS)
・論文中、6点について研究不正があるか調査。2点は不正ではないと判断。4点は調査を継続する
・細胞の画像の不自然なゆがみは、改竄などの不正行為ではない
・マウスの胎盤の2つの画像が酷似しているのは、一方の画像の削除忘れで、不正とは認められない
・電気泳動の画像で切り貼りがあった。小保方(おぼかた)晴子氏の説明を裏付けられない部分があった
・実験方法に関する記述で、小保方氏は他の論文をコピーしていた
・実験方法の記述の一部が実際の手順と違っていた
・STAP細胞を用いた実験の画像は、小保方氏の早稲田大の学位論文の画像と酷似していると判明、同一のデータと判断せざるを得ない