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【公示地価】三大都市圏6年ぶり上昇 東京五輪効果 湾岸マンション活況

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【公示地価】三大都市圏6年ぶり上昇 東京五輪効果 湾岸マンション活況

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タワーマンションを背にした都営地下鉄大江戸線「勝どき」駅前交差点。2020年の東京五輪選手村の最寄り駅とされ、駅近くの「中央区勝どき3丁目」は前年比10.9%の上昇率を記録し、全国の住宅地の上昇率トップ10に入った=2014年3月14日、東京都中央区(原田史郎撮影)  国土交通省は3月18日、今年1月1日時点の公示地価を発表した。東京、大阪、名古屋の三大都市圏の平均で住宅地が前年比0.5%上昇(前年は0.6%下落)、商業地が1.6%上昇(0.5%下落)となり、ともにリーマン・ショック前の2008年以来、6年ぶりに上昇に転じた。一方、地方圏は下落が続いたが、下げ幅は縮小。この結果、全国平均では住宅地が0.6%下落(1.6%下落)、商業地が0.5%下落(2.1%下落)と4年連続で下げ幅が縮まった。

 地価の回復傾向は、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」に伴う景況感改善で、マンションやオフィスなどの不動産取引が活発化していることが背景にある。国交省の担当者は「かつてのバブルといった状況ではなく、実体経済を反映した合理的な範囲内の(地価)上昇」としている。

 三大都市圏では、商業地は東京、大阪、名古屋のいずれも上昇。住宅地は東京、名古屋が上昇したが、大阪は0.1%下落した。

 地方圏では住宅地が1.5%下落(2.5%下落)、商業地が2.1%下落(3.3%下落)でともに22年連続で下落したが、下げ幅は前年より縮小した。札幌市で住宅地、商業地がともに上昇に転じたほか、仙台市や福岡市で住宅地、商業地の上げ幅が前年より拡大するなど、中核都市の改善が目立った。

 この結果、全国で地価が上昇した地点は7102地点となり、前年の2008地点を大きく上回った。また、全ての都道府県で住宅地、商業地ともに前年より下落率が縮小するか、上昇に転じ、地価の回復傾向を裏付けた。

 東日本大震災の被災地では、復興事業による土地の需要増を背景に、住宅地では宮城県が2.5%上昇(1.4%上昇)と2年連続で都道府県別の上昇率でトップとなり、福島県も1.2%上昇(1.6%下落)に転じた。宮城県石巻市の高台は上昇率が15.1%で、3年連続で住宅地の上昇率で全国1位だった。

 地価の最高地点は、東京都中央区銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」。前年比9.6%上昇の1平方メートル当たり2960万円で、全国トップは8年連続となる。

 ≪東京五輪効果 湾岸マンション活況≫

 今年の公示地価では、2020年の東京五輪開催決定を背景に、競技施設や選手村に近い東京湾岸部の住宅地の地価上昇が鮮明になった。五輪開催に向け都心部との交通アクセスなどが良くなるとの期待もあり、足元では高層マンションの販売が活況を呈している。

 中央区晴海2丁目に建つ49階建ての真新しい高層マンション「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」。西向きの部屋のベランダからは選手村予定地やレインボーブリッジが望める。すぐ隣では、同じく49階建ての「ティアロレジデンス」の建設が進む。ともに三菱地所レジデンスなどが分譲し、クロノレジデンスは今月(3月)8日に全883戸を売り切った。

 横浜市保土ケ谷区の男性会社員(45)は昨年(2013年)9月、東京五輪の開催決定をテレビで確認し、ティアロレジデンスの3LDKの部屋の購入を決断。「五輪が決まり、従来弱かった交通インフラの強化や学校、病院、商業施設の整備がおのずと進むはず」と話す。

 東京湾岸部の地価は、都営地下鉄勝どき駅に近い中央区勝どき3丁目、中央区佃3丁目がともに前年比10.9%の上昇率を記録、全国の住宅地の上昇率トップ10に入った。他にも中央区月島3丁目が10.8%、江東区豊洲4丁目が8.6%それぞれ上昇。これらの多くは前年の調査で横ばいだった。

 五輪開催で湾岸部では、主要道路である環状2号線の湾岸部と都心を結ぶ約5キロの区間が2015年度末の開通に向けて建設中で、五輪では都心と競技施設や選手村を結ぶルートとして活用される。また専用レーンを走るバス高速輸送システム(BRT)の導入計画もある。

 マンション市場の活況を受け、湾岸部では「オフィス立地と思われていた地域が住宅向けに転換するケースも出ている」(不動産サービス大手シービーアールイーの水谷賀子エグゼクティブ・ディレクター)という。みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリストは「五輪後も跡地が有効活用され、湾岸部の地価は底堅く推移するのでは」と話している。(森田晶宏/SANKEI EXPRESS

 ■公示地価 国土交通省の土地鑑定委員会が地価公示法に基づいて公表する1月1日時点の土地の価格。公共事業の用地買収や固定資産税、相続税評価の目安に使われる。今回の調査地点は、住宅地、商業地など計2万3380カ所(うち福島県の17は休止)。土地の価格の指標はほかに、都道府県が7月1日時点の地価を公表する基準地価や、国税庁が公示地価を基に算出する主要道路沿いの路線価などがある。

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