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G7首脳会談 「ロシアのG8参加停止」を採択 G7と対立 「新たな冷戦時代」に突入
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日米欧など先進7カ国(G7)は3月24日、ロシアによるウクライナ南部クリミア自治共和国の併合をめぐり、緊急の首脳会議をオランダ・ハーグで開き、6月にロシアのソチで予定されていた主要8カ国(G8)首脳会議への参加を取りやめ、同時期にブリュッセルでG7首脳会議を開催することなどを盛り込んだ「ハーグ宣言」を採択した。
宣言はロシアのG8除名にまでは踏み込まなかったが、「ロシアがその方向を変更し、意味ある議論を行う環境に戻るまでG8への参加を停止する」と強調した。冷戦終結に伴い1998年から続いたG8の枠組みは重大な転機を迎えた。
宣言では、ロシアが引き続き緊張状態をエスカレートさせる場合、G7が協調して「ロシア経済にさらに重大な影響を与える分野別の制裁」を課すと警告した。米政府高官はウクライナの東部・南部への侵攻がその引き金になるとの認識を示した。金融や防衛など産業ごとの制裁を想定しているとみられる。
G7はこのほか、担当閣僚による会合を開き、各国のエネルギー安全保障強化策を協議することも決めた。
これに対し、ラブロフ露外相は24日、「G8にしがみついたりしない。G8は非公式なクラブだ」などと述べたほか、イランの核問題やパレスチナ和平などを挙げ、多くの国際問題がさまざまな枠組みで協議されているとし、強気の姿勢を示した。
一方、前日からハーグで開かれていた「第3回核安全保障サミット」は25日、核テロ阻止に向けてプルトニウムなど核物質の保有量を最小化することなどに関する「ハーグ・コミュニケ」を採択して閉幕する。(ハーグ 宮下日出男/SANKEI EXPRESS)
《G7と対立 「新たな冷戦時代」に突入》
オランダのハーグで緊急首脳会議を開いたG7は、ロシアによるクリミア併合を「違法行為」と断罪し、G8への参加資格停止という前例のない「処分」を下した。ロシア側の態度によっては、さらなる制裁の発動も警告した。だが、ロシア側は「大きな問題ではない」(ラブロフ外相)と居直り、どこ吹く風で警告を無視する構えだ。ロシアの異質ぶりが改めて鮮明となるなか、G7とロシアの対立は、「新たな冷戦」時代の幕開けさえ想起させる。
「国際社会への挑戦であり、強力で統一した対応が必要だ」。オランダ首相公邸の狭い部屋で行われたG7首脳会議。米国のオバマ大統領は、丸テーブルを囲む首脳たちに訴えた。議論は約1時間半にわたった。
外交筋によると、ロシアをG8の枠組みから排除すべきだとの強硬論を唱えた首脳もいたという。最終的に、ソチでのG8首脳会議のボイコットと、同時期にG7首脳会議を開くことで合意したのは、オランダ国王主催の晩餐(ばんさん)会が始まる直前のことだった。
外交筋は、「ロシアが(自由や民主主義といった)共通の価値観をベースにしたグループにとどまることができるのか疑問だが、まだ結論が出たわけではない」と述べ、「ロシア排除」は継続協議となったことを明らかにした。
これに対し、タス通信によると、プーチン大統領に代わって核安全保障サミットに出席するためハーグを訪れたラブロフ外相は「G8は非公式なクラブだ。会員証はなく、除名などできない」と、うそぶいた。
ロシアはクリミア併合を撤回する考えは微塵(みじん)もなく、G7側では、悲観論が台頭している。マクフォール前駐露米大使は3月24日、「プーチン大統領は西側との対立を求めている」とする論文を米紙に寄稿。スウェーデンのビルト外相も、「民族主義に根ざした保守強硬派がロシアを支配している」と嘆いた。
ただ、米ソという超大国によるの東西冷戦時代とは異なり、ロシアと欧米の間には経済的な相互依存関係が構築されており、欧米側にも大きな打撃が及ぶ。制裁を受けたロシアは、中国やインドなど新興大国との関係強化で生き残りを図るものとみられ、新たな冷戦には「一方的な勝者はいない」との意見が欧米メディアや識者の間で広がっている。
先の外交筋は、「欧米とロシアによる駆け引きで、漁夫の利を得るのは中国である可能性が高い」と指摘しつつも、「G7は各国の国益に沿いながら、結束して対抗する以外に道はないのではないか」としている。(SANKEI EXPRESS)
・ウクライナの主権、領土の一体性を強く支持
・ウクライナ南部クリミア編入の試みを非難し拒否
・ロシアの行動は明白な国際法違反
・ロシアが事態を悪化させれば協調して経済制裁の用意
・外交解決の余地は残されている
・ウクライナ新政権を支援
・ロシアが態度を変えない限り、G8への参加を停止
・ロシアで予定された6月のG8首脳会議をボイコット。代わりにブリュッセルでG7サミットを開催