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G7首脳会談 米、日欧との結束強調 追加制裁も

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G7首脳会談 米、日欧との結束強調 追加制裁も

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 「G7として制裁強化の用意があることを明確にしたことが重要だ」。米政府高官はハーグ宣言採択後、G7の結束の固さをアピールした。

 ロシアへの制裁をめぐっては、ロシアとの経済的な結びつきが強い欧州と米国との温度差も指摘されてきた。しかしオバマ氏は会合に先駆けてロシアの基幹産業への制裁を可能とする態勢を整備した。ハーグ宣言にもロシアが事態を悪化させた場合、協調して制裁にあたることを盛り込むことに成功した。米政府高官はG7による制裁は「最大の一撃になる」とする。

 また、米政府高官はロシア軍がクリミア以外の地域に侵攻しない場合でも制裁が発動される可能性を示唆した。制裁はロシアからの対抗措置を呼び込み、世界経済に重大な影響を与える可能性があるが、国際経済から孤立するロシアが支払う代償は「欧米よりもはるかに大きい」と強調する。

 G8からのロシアの排除には、中国などとの連携を目指すロシアには象徴的な意味合いしかないとの声もあるが、米政府高官は対露制裁やウクライナへの支援には「G7の間で大きな異論はなかった」と述べた。

 バラク・オバマ政権はジョン・ケリー国務長官(70)を通じてロシアとの妥協の道も探っている。ケリー氏は3月24日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相(64)と会談し、ウクライナは「クリミアのような地域での自治」について協議する用意があるとの立場を示した。クリミアにウクライナの一部としての自治拡大を認めることで、ロシアに翻意を迫った形だ。

 ロシアはウクライナの各地域の自治を高めることには前向きだが、クリミアは「対象外」(チュルキン露国連大使)としており、オバマ政権の要望の実効性は低い。オバマ政権はロシアへの圧力強化に躍起だが、実現可能な着地点は見えてこない。(ワシントン 小雲規生/SANKEI EXPRESS

 《露外相「G8にしがみつかない」》

 G7がロシアで6月に開催される予定だったG8首脳会議への参加を取りやめたことを受け、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は3月24日、「われわれはG8にはしがみつかない」と述べた。ウラジーミル・プーチン政権がクリミア併合を機に欧米から一定の距離を置き、「世界の多極化」を目指す主要メンバーとして揺さぶりをかける場面が増えることが予想される。

 G8軽視の兆候は、プーチン大統領が3期目の任期に就いた2012年から現れていた。

 プーチン氏は就任直後の日程が決まっていた米国でのG8開催について、「組閣作業に専念するため」として出席を拒否。就任演説でも、G8よりも先にG20(主要20カ国・地域)やBRICS(新興5カ国)に言及した。初の外遊には米国ではなくベラルーシや中国を選んで、米露関係の根本的見直し「リセット」にも当初から、消極的な姿勢を明確にした。

 ソ連時代からの伝統で、国連安保理常任理事国や核大国としての立場を重視してきたロシアは、プーチン政権下で石油ガスなどのエネルギー外交を武器にして、国際社会で地歩を固めてきた。

 昨年(2013年)のシリア化学兵器の廃棄をめぐっては、態度が二転三転したバラク・オバマ米政権を横目に、ロシアが影響力を発揮した。

 プーチン氏は昨年(2013年)末の年次教書で、「より進歩的といわれる発展モデルを他の国々に押しつける試みが実際には退化、蛮行、大量の流血へと至る」と強調。米欧主導の世界秩序の構築に反発を示してもいた。

 ロシアは今後、G20やBRICSの枠組みに加え、中国が加盟する上海協力機構や、旧ソ連圏の結束を固める「ユーラシア連合」に重点を置いて対露制裁の波及を最小限にとどめ、むしろ欧米から孤立する状況を活用し、反欧米諸国の結束を図っていく可能性がある。

 ロシアの保守派専門家からは「ロシア抜きのG7の枠組みは今後、廃れていくだろう。むしろ困るのは欧米の方だ」との強気の声が出ている。(シンフェロポリ、ウクライナ南部 佐々木正明/SANKEI EXPRESS

 ■G7 「グループ・オブ・セブン」の略。米国、日本、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの7カ国で構成。石油危機後の不況やインフレに対応するため、1975年にフランスが米国、英国、西ドイツ(現ドイツ)、日本、イタリアを招いて6カ国による首脳会議を初開催。翌年にカナダが加わって先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)となった。その後、G7と欧州連合(EU)によりサミットが開かれ、冷戦終結後にロシアも参加。98年のバーミンガム・サミット(英国)から「主要国(G8)首脳会議」という呼称が定着した。(共同)

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