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4月は余裕を持ってリズム良く 大和田潔
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4月は新学期や異動の季節。知らない場所の扉を開けて、新たな世界に飛び込んでいく希望の月。同時に、仲間ができてなじんでいけるだろうか、きちんと与えられたことができるのだろうか、と不安も入り交じった複雑な気持ちの季節でもあります。
救急病院に派遣されていた春の季節を思い出します。忙しく目の前の患者さんに向き合っていると、前触れなく上司から電話がかかってきて、数日後の異動が伝えられます。突然なので引っ越し屋さんも予約できません。本や書類は段ボールに詰めて宅急便に、電化製品はすべて病院に寄付したり破棄したりして異動しました。
病院で夜の勤務を終え、翌朝から離れた県の別な病院での仕事のため、高速道路を夜のうちに移動。新しいスタッフにお会いできる楽しみな気持ちの一方で、余裕がありません。このように時間に余裕を持てない異動を繰り返されている方にも、多くお会いしました。
春は突発的な天候変化も起きやすい季節です。気温が、朝は一桁なのに、昼間は20度近くなることもあります。春の嵐と呼ばれるように気圧も大きく変動します。こういったときには、気持ちの不安定さも相まって体調を崩しやすいものです。外界の変化が激しいと、体がついていけず不調をきたします。「気象病」として、NHKでもお話ししたことがあります。
体が不調になると、気持ちも不安定になるため、悪循環に陥ります。私は、5月病と呼ばれるものは、4月に始まりつつあった不調が悪化したものではないかと考えています。体調の不安定さをできるだけ少なくしておく工夫が必要です。
新しい環境に慣れようとあわただしくしていると、睡眠時間や食事をおろそかにしがちです。体内のさまざまな生命活動は、機械式時計の歯車のようにかみ合いながら、体内時計に沿って動いています。規則正しい生活リズムを守ることが、体調管理の基礎となります。心と体が万全でないと、スタートダッシュ後も疾走を続けることができません。息切れしないように、リズムを整えましょう。良いパフォーマンスを継続するために、食事を含め生活リズムを整えるようにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)