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【Q&A】エネ基本計画閣議決定 脱「原発ゼロ」 再生エネ導入も加速

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【Q&A】エネ基本計画閣議決定 脱「原発ゼロ」 再生エネ導入も加速

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再生可能エネルギー関係閣僚会議であいさつする菅義偉(すが・よしひで)官房長官(右手前から2人目)=2014年4月11日、首相官邸(酒巻俊介撮影)  政府は、原子力発電の活用方針を明記した新たなエネルギー基本計画を4月11日に閣議決定しました。

 Q 今回の基本計画の意義は何ですか

 A 東京電力福島第1原発事故後初めて策定された計画です。脱原発を求める声も多い中で原発にどう向き合うかなど、エネルギー政策の中長期の青写真を政府が示しました。

 Q 昨年(2013年)末に政府原案が公表されてから、閣議決定まで約4カ月もかかりました。なぜですか

 A 原発の位置付けや再生可能エネルギーの数値目標の扱いをめぐって与党と経済産業省の間で意見が対立し、調整が難航したためです。昨年(2013年)末の政府原案は原発を「基盤となる重要なベース電源」と表現していましたが、原発活用路線が強く出過ぎていると批判が出て修正に追い込まれました。再生エネルギーの数値目標をめぐっては、公明党が明記を強く求め、経産省が最後まで抵抗しました。

 Q 原発政策はどのような内容ですか

 A 原発の位置付けは最終的に「重要なベースロード電源」という表現になりました。発電コストが安く、昼夜問わず連続して発電する電源を指す専門用語です。原子力規制委員会の審査を通った原発は再稼働を進めることも明記しました。民主党政権が原発事故後に掲げた原発ゼロ方針と決別したといえます。

 Q 事故が収束していないのに政府はどうして原発活用を決めたのですか

 A 発電コストが安いためです。原発停止後、電気料金が上がり、経営の負担が増している経済界で再稼働を求める声が強まっていました。

 Q 基本計画は、将来原発政策をどうしていくか書いていますか

 A 原発依存度を可能な限り低減させるとしていますが、具体的な比率は示しませんでした。原発の寿命は原則40年と決められていて、古い原発から廃炉になっていきますが、新設や増設には触れていません。政府は今後、原発の審査が進み、どの程度再稼働するかなどを見極めた上で、他の電源を含め将来の比率を示す考えです。

 Q 再生エネルギーにはどう取り組みますか

 A 2013年から3年程度導入を最大限加速し、その後も積極的に取り組む方針です。導入目標として10年に公表した「30年に約2割」などの数値を参考値として示し、上積みを目指します。

 Q 核燃料サイクルはどうなりますか

 A 再処理やプルサーマルを進めます。トラブル続きのもんじゅは高レベル放射性廃棄物の量を減らしたり、有害度を下げたりする技術の国際的な研究拠点と位置付けました。公明党は廃止を求めましたが、増殖炉としての活用方針を薄めて延命を図ったといえます。

 ≪電気・ガス全面自由化で競争促す≫

 電力、都市ガス市場の全面自由化もエネルギー政策の重要課題。競争環境を整備し、異業種からの新規参入を促すことで料金やサービス競争を起こすのが狙いだ。

 政府は大手電力がほぼ独占してきた電力市場改革を3段階に分けて進めている。第1段階として昨年(2013年)11月、全国の電力需給の調整機関を設立するための法律が成立。第2段階ではすでに自由化している大口向けに加え家庭向けの小売りを、2016年をめどに自由化し、第3段階で18~20年をめどに大手電力の発電と送配電部門を分離する。

 都市ガスも、自由化されていない家庭向けの料金や参入規制の撤廃を進める方針だ。

 完全自由化を先取りして大手電力では越境の動きが活発化している。最大市場の首都圏で、中部電力が三菱商事系の新電力ダイヤモンドパワーに出資したほか、関西電力が子会社を通じて大口向け販売に乗り出した。

 政府はこうした動きを契機にエネルギー業界の大再編を視野に入れる。経済産業省幹部は「銀行と同様、将来は数社のメガエネルギー企業に集約される形が望ましい」と話している。(SANKEI EXPRESS

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