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科学
福島県沿岸 空から見た避難指示区域 除染・道路復旧…あまりに広い作業現場
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福島第1原発には、汚染水を入れるための1000トンタンクが増え続けている。現在は2日で1基造られ、その数は500基近い。2015年度までに80万トン分のタンクが用意される予定という=2014年2月20日、福島県双葉郡大熊町(本社チャーターヘリから、鈴木健児撮影) 東日本大震災から今年3月で3年がたった。津波で甚大な被害を受けた岩手・宮城両県沿岸部は少しずつではあるが、復興が進んでいる地域もある。一方、福島第1原発事故によって避難を余儀なくされた福島県沿岸地域の人たちは、今だに帰還するめどすらたたない「不安」や「あきらめ」を抱えた苦しい生活を強いられている。
産経新聞社ではこのほど、ヘリコプターで上空から福島を取材する機会を得た。普段地上からの取材では決して見ることができない光景の数々をファインダーに収めた。
原発の周囲3キロ以内には入らない、飛行高度は1000フィート(約300メートル)を下回らないなど、いくつかのルールを守った上で、地上からは立ち入りが難しい福島の避難指示区域に入った。
現在福島県沿岸の「避難指示区域」と呼ばれる原発周辺の地域は大きく3つに分類される。立ち入りが制限されている「帰宅困難区域」、放射線の年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがある「居住制限区域」、同じく放射線量が20ミリシーベルト以下で早急な除染作業による帰還を目指す「避難指示解除準備区域」の3つだ。
福島第1原発がある大熊町、双葉町では原発内には多くの作業車両や白い防護服を着て作業をする人などが確認できるが、その周辺に人の動きは見えない。ところどころに除染作業で出た黒や青色の大きな袋が積み上げられていた。以前は住民が集まっていたと思われる駅周辺でも線路が草に覆われ見えなくなっていたり、大型ショッピングセンターの駐車場は一台の車もなく、白線だけが目立った。自動車学校の教習コースはひび割れ、ときには牛やイノシシなど野生化した動物の群れが見えることもあるという。
3月10日の記者会見で安倍晋三首相が2015年5月の大型連休までの全線開通を表明した常磐自動車道。現在工事中だが、アスファルトが敷かれたところと、土を盛っただけの部分がはっきりと確認できた。
上空から原発周辺を俯瞰(ふかん)して、豆つぶのように見えるヒトの大きさと比べ、復興作業が必要な区域があまりにも広いと改めて感じさせられた。また一刻も早く住民にとって最善の策を講じてほしいと願うしかなかった。(写真・文:写真報道局 鈴木健児/SANKEI EXPRESS)