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経済
【エコノナビ】若者の起業支援で存在感
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「20年」という言葉を聞くと、すぐに思い浮かぶのは「失われた」という枕詞(まくらことば)である。バブル崩壊後の20年間、企業のリストラや生産拠点の海外移転の加速などに伴い、デフレ経済と低成長の負のスパイラルが国民生活に重くのしかかってきた。一時は「氷河期」などと呼ばれるほど若者の就職を取り巻く環境は悪化し、閉塞(へいそく)感がぬぐい切れない状況は今も続いている。
しかし、その中から起業をめざす若者らの胎動が形となり、ソーシャルベンチャーの起業や地域再生の取り組みなどを通じ、社会を変える種が次々にまかれてきたことも忘れてはならないだろう。
そうした若者らを育ててきた一つが、「ETIC.」である。1993年4月に起業家を目指す学生の勉強会からスタートしたETIC.は、大学生と企業、NPO(非営利団体)などをつなぐインターンシップ事業や社会起業家の創業支援を行ってきた。2011年の東日本大震災後は復興に取り組む現地の企業家や自治体のリーダーらを支える人材を供給する「右腕派遣事業」も展開してきた。ETIC.がこの20年間に支援してきた若者らは計8000人を数えるという。
4月20日、ETIC.の創立20周年を祝うイベントが都内で開かれ、600人を超える若い起業家や企業、国、地方自治体、NPO関係者らが全国から集まった。宮城治男代表は「傍観者、批判者ではなく、責任を持って取り組む実行者でありたい」と述べた上で「2020年までに計2万人、年間5000人の若者を現場に送り出す」との目標を掲げた。
量ではなく質の改善こそ必要な日本。東北の被災地ではETIC.が調整役を担う自然再生エネルギー事業や農業・漁業の再生と6次産業化、寝たきりや認知症を予防し「健康寿命」を伸ばすための新たな医療・福祉モデル、都会の消費者と地域の生産者を直接つなぐ流通サービスなど、新たな試みが静かに進められている。日本の未来をつくるため、ETIC.にはますます、その存在感を高めていってほしいと思う。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)