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「コロンブスの船」執念の発見 500年前沈没 米考古学者、11年かけ有力証拠

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「コロンブスの船」執念の発見 500年前沈没 米考古学者、11年かけ有力証拠

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ハイチ・首都ポルトープランス  中米ハイチ沖の海底で発見された沈没船が、1492年に「アメリカ新大陸」に到達したコロンブスが乗り込んでいた帆船「サンタマリア号」である可能性が高いと、米国の海洋考古学者バリー・クリフォード氏(68)が5月13日発表した。沈没船は2003年に発見したものだが、この時は多数の考古学者から全否定された。納得のいかないクリフォード氏らのチームは執念の調査を継続し、新たな有力証拠を得た。なお疑問視する意見もあるが、チームは考古学的検証を進める計画だ。新大陸に匹敵する歴史的な大発見となるのか。世界中が注目している。

 全否定された主張

 「すべての証拠が、コロンブスの旗艦サンタマリア号であることを強く示している」

 米国を代表する海洋考古学者であるクリフォード氏は声明で調査結果に自信を示した。

 イタリアの探検家クリストファー・コロンブス(1506年没)は1492年8月、サンタマリア号を旗艦とする3隻の船団を率いてスペインを出港。大西洋を横断し10月についに陸地を発見し上陸を果たした。このとき、サンタマリア号は座礁し沈没。コロンブスは残る2隻で翌年1月にスペインに帰還した。

 欧米メディアによると、クリフォード氏のチームは2003年に、コロンブスの記録と一致するハイチ沖の海底で沈没船を発見。大砲と船底に積む重しのバラスト石を引き揚げ、「沈没船はサンタマリア号だ」と主張した。しかし、他の多くの考古学者が「大砲はサンタマリア号のものと異なる」と反論し、主張は否定された。

 綿密な計測、合致

 承服できないクリフォード氏はその後も、ソナーなどを駆使し沈没地点の可能性があるハイチ沖の400カ所を調査。沈没船は水深3~4メートルの浅瀬の暗礁の近くで見つかっており、沈没時のコロンブスの記録や海底地形から、この場所が沈没地点である可能性が最も高いと突き止めた。否定材料となった大砲についても、当時の大砲を改めて調べると、特徴が一致することが分かった。

 そして数週間前、チームは現場へ戻った。大砲は何者かに盗まれてなくなっていたが、沈没船の綿密な計測と写真撮影を改めて実施。その結果、約35メートルのサンタマリア号の大きさとピタリと合致した。バラスト石も分析の結果、サンタマリア号が建造されたスペインの石と同じものと判明した。クリフォード氏は、「細部に至るまでサンタマリア号と一致している」と、結論付けた。

 懐疑的な意見も

 こうした有力な証拠の提示を受け、米インディアナ大学の考古学者チャールズ・ビーカー氏はCNNテレビに「サンタマリア号が発見されたかもしれない」と語った。一方、テキサスA&M大学の海事考古学保存センターの責任者ケビン・クリスマン氏はAP通信に「この時期、多くのスペイン船が近くの海域で沈んでいる」と述べており、懐疑的な意見もなお多い。

 クリフォード氏は数カ月以内に考古学的な調査・検証を行う考えだ。船体の大部分は原形をとどめており、引き揚げも可能だという。

 コロンブスの業績を「新大陸発見」とすることには異論もあるが、大航海によって「世界の一体化」が加速した。「人類の歴史を変えた船」(クリフォード氏)が、その姿を見せることになるのか。ハイチ沖から目が離せない。(SANKEI EXPRESS

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