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今度は地下鉄追突 韓国200人超負傷 ATM故障か…公共交通「安全」グラリ
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韓国ソウルの地下鉄2号線の上往十里(サンワンシムニ)駅で5月2日午後3時半(日本時間同)ごろ、車両同士の追突事故が起き、乗客200人以上が負傷した。YTNテレビによると、負傷者はいずれも軽傷とみられ病院に搬送されているが、増える可能性があるという。
消防当局によれば、停車していた車両に後続の車両が追突し、追突された車両の後部2両が脱線した。乗客が自力で扉を開け、線路や駅のホームに脱出した。YTNは、後続車両の「自動列車制御装置」(ATC)に故障があったと推定されると報じた。
事故が発生した地下鉄2号線は、ソウル市を循環する環状線。事故のため、内回り線の一部区間が運行中止となった。韓国国交省は中央事故対策本部を設置し、事故原因を究明するとともに復旧を急いでいる。
事故発生当初、当局は負傷者がいないと発表していたが、その後、けが人増加の情報が続々と伝えられた。
韓国では4月16日に、全羅南道の珍島(チンド)沖合で旅客船「セウォル号」が沈没し302人の死者・行方不明者を出す事故が起きたばかり。沈没事故でも当初、生存者の数が大幅に間違って発表され、当局への批判や不信が高まった。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(62)は沈没事故を受け、公共交通機関などの安全対策を強化するよう、繰り返し強く訴えていた。
現場はソウルの中心部からやや東方の住宅街。在韓国日本大使館によると、事故で日本人が負傷したとの情報はないという。(ソウル 名村隆寛/SANKEI EXPRESS)
≪ATM故障か…公共交通「安全」グラリ≫
「旅客船セウォル号の惨事が頭に浮かび、自分で非常コックを使ってドアを空けて脱出しました」
5月2日午後に起きたソウルの地下鉄2号線の追突事故で、乗り合わせた女性は韓国メディアに、脱出時の恐怖をこう話した。300人以上の死者・行方不明者を出した旅客船沈没事故の収拾すらできていない中で起きた公共交通機関の人身事故は、韓国の“安全”を再び大きく揺さぶった。
韓国の国土交通省や消防当局によると事故は午後3時30分ごろ発生。聯合(れんごう)ニュースによると、事故車両には約1000人の乗客がいたが、午後3時55分ごろ、全員が待避したことが確認された。ただ韓国メディアは事故直後に待避を呼び掛ける案内放送はなかったとする乗客の声を伝えた。
追突した電車はホームに入線直前で速度はさほど出ていなかったとみられるが、運転席の窓ガラスが割れ2両目と3両目の連結部付近が脱線。先行列車も最後部のドアが吹き飛んでガラスが割れるなど衝撃の大きさをうかがわせた。
直後の初動対応で後れを取ったセウォル号の沈没事故の失敗を繰り返したくない韓国政府は、国土交通省に中央事故対策本部を設置。地下鉄の重大事故時に発令する危機管理警報を「深刻」とするなどして「素早く、大きく構えることができた」(韓国メディア)としている。
消防当局などによると、事故当時、追突した電車は手動運転中。電車の距離を一定に維持する「自動安全距離維持装置」が故障した可能性があるとみており、関係当局が調べる。
セウォル号の沈没事故では、初動対応などに問題があったとして朴槿恵政権の支持率が急落。各種世論調査で軒並み40%台に落ち込み、これまで60~70%で推移してきた政権にとって、極めて深刻な事態となっている。韓国ギャロップ社が4月28~30日に実施した調査では、朴氏の国政運営について肯定的に評価した回答は48%となり、4月15日の調査よりも12ポイント下落。(4月)27日には鄭●(=火へんに共)原(チョン・ホンウォン)首相(69)が辞意を表明し、(4月)29日には朴氏が閣議で国民に謝罪を表明したが大きな効果はなかった。(ソウル 加藤達也/SANKEI EXPRESS)