SankeiBiz for mobile

東北六魂祭 復興へ願い込め 1200人練り歩き

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのトレンド

東北六魂祭 復興へ願い込め 1200人練り歩き

更新

東北六魂祭のパレードの復路では、それぞれの祭りが入り混じって人々が交流しながら練り歩いた=2014年5月24日、山形県山形市(大西史朗撮影)  東日本大震災からの復興への願いを込めて、東北6県を代表する夏祭りが集結する「東北六魂祭(ろっこんさい)」が5月24、25の両日、山形市で行われた。市中心地で行われたパレードでは約1200人が練り歩き、沿道からの「ありがとう」「がんばれ」の歓声と拍手で包まれた。

 祭りの事務局によると、2日間の来場者は計約26万人で、予想を大きく上回った。閉祭式では市川昭男山形市長が「市制125年始まって以来の人出で、東北が一堂に集まった力を来年につなげたい」とあいさつした。

 東日本大震災の犠牲者の鎮魂や復興を願って2011年に仙台市で始まった祭りは、盛岡市、福島市と続いて今年4回目。岩手、宮城、福島の被災3県以外での開催は初めてだ。

 漢字一文字で表現してきたテーマは、今回は「東北はくじけていない」という姿勢を示す「起」。祭りのメーンとなるパレードの先頭は、300年の歴史を持つ山形仏壇の技術を使って製作された山形みこし。続いて山形花笠まつり、盛岡さんさ踊り、福島わらじまつり、仙台七夕まつり、青森ねぶた祭と続いた。秋田竿灯(かんとう)まつりはパレードの数カ所で待機し、演舞を披露。担ぎ手や踊り手らが1時間半かけて1.1キロを練り歩いた。

 ≪「感無量」 観衆の心揺さぶる踊り≫

 今回のために作られたねぶたのデザインは「不動明王」。悪を降伏させるために剣とひもを持ち、津波のような青い波を押さえつけている。幅約7メートルで、台車を含めた高さは4.5メートルもある。裏には、福島などから青森に避難した26人が「感謝」などと書いたメッセージが張られた。ねぶた師の穐元和生(あきもと・かずお)さん(65)は「迫力をつけるために筋肉を強調した。これを見て多くの人が元気をもらってほしい」と話した。

 市内上空では5月24日午後0時半から、航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)所属の飛行チーム「ブルーインパルス」の飛行展示が行われた。上空300~400メートルで大きなハートが描かれると、市民から歓声が上がっていた。

 沿道に詰めかけた人は、復興を誓って繰り広げられる熱のこもった踊りや技に盛んに手拍子や拍手を送りながら鑑賞していた。山形市の病院勤務、佐藤亜紀さん(36)は「震災の年に生まれた次女と見られて感無量です」と語った。また、パレードを最前列で見物していた宇都宮市の自営業、石川治子さん(70)は「踊り手のみなさんが懸命に踊っている姿にとても感動した。東北の人たちの魂を感じた」と満足そうに話していた。

 来年は秋田市で開催する予定。(写真・文:写真報道局 大西史朗/SANKEI EXPRESS

ランキング