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【奥多摩だより】雪が落ちる(山梨県丹波山村)

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【奥多摩だより】雪が落ちる(山梨県丹波山村)

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雪が落ちる=2008年2月4日、山梨県北都留郡丹波山村(野村成次撮影)  この冬は首都圏でもかなりの降雪量。週末2度の大雪で交通網は大混乱だ。特に今月(2月)14日夜からの雪は各方面で、集落を孤立させ車を立ち往生させた。奥多摩方面でも東京都は2月16日に、陸上自衛隊に災害派遣を要請する事態だった。奥多摩の山間部には集落が点在しており、高齢者の人が多い。買い物も雪下ろしも不可能で、死活問題になりかねない。そこで暮らす人たちにお見舞いと、関係者にご苦労さまと申し上げなければならない。

 実は15日に奥多摩へ行こうとした。拙宅を始発電車に乗って、行ける範囲で取材する予定だったが、鉄道が途中から不通。すごすごと敗退せざるを得なかった。もっとも、奥多摩の先まで行ってしまえば、帰路が危なくなることは承知している。だから、青梅がギリギリだと考えたが、実際はもっと手前の立川で立ち往生だ。会社へはその旨を連絡したが、心配した同僚が翌朝電話をくれて、「オイ、無事に帰っているな。遭難していないな!」。

 奥多摩へ行くJR青梅線は、それから1週間全通しなかった。で、困った! 次の取材に行けなくなった。締め切りが近い。仕方なく以前の雪を思い出して、写真を探した。

 数年前になる。未明までの雪は晴れ上がり、山梨県丹波山村(たばやまむら)は青空が広がっていたが、バスを降りたら膝の下までズボッと雪の中。歩くのに難渋したが雪質はいい。降ったばかりだからサラサラしている。サッと散るように落ちてくる。その瞬間を狙ったら雪がスクリーンになって、木々の影が映り込んでいた。こんな落雪なら頭に当たっても痛くはない。数日前の雪は、きわめて質が悪く、ドカッと落ちてくるのでケガをすることもある。

 この丹波山村、今回の大雪で苦労された人も多かっただろう。(野村成次、写真も/SANKEI EXPRESS

 ■のむら・せいじ 1951(昭和26)年生まれ。産経新聞東京、大阪の写真部長、臨海支局長を経て写真報道局。休日はカメラを持って、奥多摩などの多摩川水系を散策している。

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