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【中塚翠涛 ココロのかたち】日日是好日 その日がいつも最高の一日

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【中塚翠涛 ココロのかたち】日日是好日 その日がいつも最高の一日

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「日日是好日」(中塚翠涛さん提供)。www.suitou-nakatsuka.jp  皆さま、こんにちは。近頃、日が長くなってきましたね。

 明るい時間が増えると、何か得した気分になりませんか?

 さて、そんなことを考えながら今月は『日日是好日』ということばを選びました。

 文字を見ると思わず「ひびこれ…」と口にしてしまいますが、正しくは「にちにちこれこうじつ」と読みます。この言葉の意味は「悪いことがなければ、いい日」だと思われがちです。

 いろいろな受け止め方がありますが、本来の意味は、一日に起きたことの中でいいことを探す、何事も一生懸命に取り組む、ということのようです。

 前回連載1回目の「一期一会」では、人と人との出会いを大切にしたいとお伝えしました。「日日是好日」は、一日一日を無駄にせずに生きよう、という「時」の大切さを教えてくれる言葉だと思います。

 雨と共に訪れる幸せ

 例えば、雨が降ったら皆さまはどう思われますか?

 「あー、雨か。嫌だな…」。多くの方は、意識せずともこう考えてしまうのではないでしょうか? けれども、雨は大地にとっては恵みの雨ともいいますよね。私は思いがけず雨にトキメキをもらった経験があります。

 先月(4月)下旬に、フランスを訪れました。パリに到着したのは雨上がりの夕方。ホテルでチェックインを済ませ、夕食をとろうとレストランに向かっていると、建物と建物の間から、虹がふわっと出ているのが見えました。

 もしかしたら…、虹の端、虹の根っこが見えるかもしれない!と思った私は、近くのルーブル美術館の広場まで走り出しました。

 すると、ありました! びっくりするくらい大きな虹が、二重に、空いっぱいに広がっていました=写真。雨が上がった後の、ルーブルにかかった虹の美しさは想像以上! もちろん、私も晴れの日は大好きです。けれども、その後、パリ滞在中は、雨が降っても「この後、どこに虹が出るだろう?」という楽しみに変わったのです。それに、雨の後のパリの石畳は趣があって、とても美しいということにも気づきました。

 どんな時間も楽しみに

 このように、考え方ひとつで、今まで気持ちが落ち込んでいたことが楽しみに変わることもあります。

 人を待つ時間も同じです。

 恋人や友人に待たされた経験がある方は、その時どう思いましたか?

 「この間ね、カレに30分も待たされちゃったのよ。最低でしょ?」と、怒っていた友人がいます。連絡もなく待たされると、普通は怒っちゃいますよね。でも、事前に連絡をくれていればどうでしょう?

 「じゃあ、この時間で何をして待っていよう?」。その間に出来ることを考える楽しみに切り替えることもできます。

 いい一日になるのか、そうでない一日になるのかは、自分の理想や想像と違ったことが起きた時に、そのことをどう受け止めるのかで変わってくるのではないでしょうか?

 雨が降ったら最悪と思うのではなく、待ち人が時間に遅れることに腹をたてるのではなく、その一歩先のことを考えること。与えられた状況の中で、楽しみを見つける、楽しみに考えることができたら、どんな日も最高の一日になるでしょう。

 楽しんでも、楽しまなくても同じ一日です。

 皆さまの今日が「好日」になりますように。

 【気楽にレッスン♪】

 ■ひらがなに重要な「ぐるぐる」

 初回は、ボールペンを使ったペン字の練習です。まずは、“ぐるぐる”を書くことから始めましょう。子供の落書きみたい!と思いますよね。でも、曲線(右回り)は、ひらがなを書くためにとても重要なのです。そして、ひらがなは私たちが日頃書く文章の約7割を占めています。ぐるぐるの次はギザギザです。ギザギザは折れやはねなどの練習になります。ぐるぐるもギザギザも手首を柔らかくすることを意識してみてください。手首が柔らかくなったら、普段、よく使う文章を書いてみましょう。

(1)いつもありがとうございます

(2)大変お世話になりました

(3)申し訳ございませんでした

(4)今後とも宜しくお願いします

(5)またお会いしたいですね

(6)とても楽しみにしています

 左側のお手本をよく見てください。全体のバランスをつかんだら、真ん中の薄い文字をなぞってみましょう。点線にも意識してひと文字、ひと文字、ゆっくりと丁寧に書いてくださいね。ひと文字ごとにお手本と見比べて確認しましょう。最後に右側の空欄に挑戦してみてください。うまく書けましたか? 完成したら、またお手本と比べてみましょう。(書家 中塚翠涛(なかつか・すいとう)、写真も/SANKEI EXPRESS

 ■なかつか・すいとう 岡山県倉敷市生まれ。4歳から書を学ぶ。大東文化大学文学部中国文学科(現・中国学科)卒業。古典的な書をもとに、平面のみならず、ガラスや食器に文字のもつ魅力を表現し、国内外で活躍。テレビ朝日系「中居正広のミになる図書館」に「美文字講師」として出演。手がけた題字は、テレビ東京系の新春ワイド時代劇「戦国疾風伝 二人の軍師」、映画「武士の献立」、「劇場版 SPEC 結 漸ノ篇」「爻ノ篇」など多数。ペン字や手紙に関する著書も多く、大ベストセラーの「30日できれいな字がかけるペン字練習帳」(宝島社)、「美文字のすすめ」(幻冬舎文庫)や「コトバノ森」(パルコ出版)など。3月に「履歴書やエントリーシートがキレイに書ける 美文字練習帖」(小学館)を発売した。

www.suitou-nakatsuka.jp

twitter.com/nakatsukasuitou

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