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暴露容疑者、映画では「英雄」 スノーデン事件題材、興収は期待薄

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暴露容疑者、映画では「英雄」 スノーデン事件題材、興収は期待薄

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 ハリウッドを代表する社会派監督のオリバー・ストーン氏(67)が6月2日、米情報機関による個人情報収集活動を暴露した元CIA(中央情報局)職員、エドワード・スノーデン容疑者(30)を題材とする映画を製作すると明らかにした。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントも映画化を発表しているが、いずれもスノーデン容疑者は“英雄”として描かれるとみられる。「勇気ある内部告発者」なのか、「祖国を危うくした裏切り者」なのか。その評価が真っ二つに分かれるなか、2本の映画が興行収入的に成功を収めるのか、失敗に終わるのかにも注目が集まっている。

 相次ぎ2本、ストーン監督も

 「スノーデン氏の物語は、この時代のもっとも大きな出来事のひとつであり、(その映画化は)真の挑戦といえる」。ストーン監督は、映画化への強い意気込みを示した。

 映画の原作は、元職員から機密情報の提供を受けて報道した英紙ガーディアンの記者ルーク・ハーディング氏の著書「スノーデンファイル、地球上で最も追われている男の真実」。

 ノンフィクションだが、「映画的なスリラー小説の要素を併せ持つハイスピードの物語」(米紙ニューヨーク・タイムズ)と高く評価されている。筆者も顧問として映画製作に協力するという。

 ストーン監督は、ベトナム戦争の暗部を描いた「プラトーン」(1986年)やジョン・F・ケネディ元大統領の暗殺事件の謎に迫る「JFK」(91年)などで知られる社会派。

 ただ、最近は2012年に、キューバ革命で社会主義国家を樹立したフィデル・カストロ氏(87)や、反米闘士で昨年亡くなったベネズエラのウゴ・チャベス元大統領のドキュメンタリーを製作するなど、反米の姿勢を強めていた。

 「私にとってスノーデンは英雄だ。なぜなら国民が知るべき秘密を暴露したのだから」。昨年(2013年)7月にチェコで開かれた国際映画祭では、元職員の行為をこうたたえており、今回の映画化は必然だったようだ。

 リベラル支持、国民は批判

 一方、ソニーは、同じガーディアンの元コラムニストで最初にこの問題を報じた元職員の“盟友”であるグレン・グリーンウォルド氏(47)の著書「暴露 スノーデンが私に託したファイル」の映画化権を獲得。「007 スカイフォール」(12年)などを手掛けた大物プロデューサー、バーバラ・ブロッコリ氏(53)が製作を進めている。

 もっとも、2本の映画の商業的な成功には懐疑的な見方が多い。米司法当局はロシアに亡命中の元職員をスパイ罪などで訴追。ジョン・ケリー国務長官は「国を裏切った男だ」と嫌悪感をあらわにしており、保守化が進む国民の間でも批判の声が高まっている。

 一方で、オバマ政権は情報収集活動の大幅な見直しを迫られ、ガーディアンが今年のピュリツァー賞に選ばれており、リベラル層は元職員を支持している。だが、娯楽映画として支持されるかは別問題だ。

 米芸能誌エンターテインメント・ウイークリーは、内部告発サイト、ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサーンジ容疑者(42)を題材に昨年(2013年)公開された「ザ・フィフス・エステート」が、米国で興収約320万ドル(約3億2000万円)の大失敗に終わったことを例に挙げ、「(スノーデン映画も)配給会社には扱いにくい作品だ」と報じている。(SANKEI EXPRESS

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