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【ブラジルW杯】日本のサッカー 世界に見せる エース香川、夢舞台初陣
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【サッカーW杯ブラジル大会】日本代表=2014年5月12日、※カッコ内は所属、W杯代表選出歴、□内はW杯代表選出回数 サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会で日本代表は、6月14日午後10時(日本時間15日午前10時)からブラジル北東部レシフェでコートジボワールとの1次リーグC組初戦に臨む。アルベルト・ザッケローニ監督(61)の下で変貌した攻撃的なサムライブルーが、4年間の成果を試す。勝利の鍵を握る、エースナンバー「10」を背負った香川真司(25)=マンチェスター・ユナイテッド=は「4年間、自分たちのサッカーを追求してきた。勝って日本のサッカーを世界に知らしめたい。一人一人重圧はあるが、それを力に変えて全員でハードに戦う」と、W杯初陣を前に決意を語った。
ザッケローニ監督は13日の記者会見で「チーム状態は良好。W杯のような大会は、入り方が非常に重要だ。選手たちはこれまで見せてきた中で最高のプレーを実践してほしい」と初戦にかける意気込みを口にした。
一方、香川は公式練習で、初戦の会場となるレシフェのペルナンブコ・アリーナのピッチに立った。昨年(2013年)6月19日のコンフェデレーションズ杯イタリア戦でゴールを決めた験の良いスタジアムだ。「点を取ったスタジアムは全部覚えている。相性はいい」と、高ぶる感情を抑えるように体をほぐして決戦に向けた準備を整えた。
香川の胸には雪辱の思いがある。4年前、W杯南アフリカ大会の代表入りを果たせず、練習の補助役「サポートメンバー」としてチームに同行した。代表選手は23人で4人いたサポートメンバーは背番号24~27のユニホームを与えられた。香川は24番。国外開催のW杯で初のベスト16入りの快挙を支えた「一員」として、他の3人は記念に代表選手のサインをユニホームにもらった。
しかし、その時のサポートメンバーで、今はW杯の代表に名を連ねる酒井高徳(ごうとく、23)=シュツットガルト=によれば、「香川君はそういうことはしなかった」という。あと一歩届かなかったW杯への、焦がれるような思いが胸にあったのだろう。無邪気に周囲と喜び合えるほど、気持ちの整理もついていなかった。
だが、今は背中には「10」が輝き、代表で攻撃の中心的役割を担う。狭いスペースでも乱れることのない繊細なボールタッチに磨きをかけ、日本に欠かせない存在となった。2013~14シーズンは監督交代によって所属するマンUでの出場機会が減り、調子を落としていたが、大会直前に行われた米国での強化試合で2試合連続ゴールと調子を上げる。「4年前は比較的、守備的なチームだったけど、それを4年間で変えて攻撃的に自分たちのサッカーをするという目標を立ててやってきた。4年前より、はるかにいいチームになっていると思う」と語る。
公式練習前には宿舎で前回大会の決勝カードの再現であるスペイン対オランダ戦をじっくり観戦した。結果は、オランダが5-1で雪辱するというサプライズスコアだったが、「実力的には明らかにスペインが上だった。でもオランダはみんながハードワークしていた。日本もああいうひた向きさが必要だ」と香川。日本の新エースが左サイドを制すれば、勝利は自ずと見えてくる。(SANKEI EXPRESS)