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【ブラジルW杯】パス封殺され5発被弾 スペイン悪夢の船出

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【ブラジルW杯】パス封殺され5発被弾 スペイン悪夢の船出

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【ブラジルW杯】1次リーグ勝敗表(A組、B組)=2014年6月14日現在、※日時は日本時間  サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会は6月13日、第2日の1次リーグ3試合を行い、B組では前回2010年南アフリカ大会優勝のスペインが準優勝のオランダに1-5で大敗を喫した。チリはオーストラリアを3-1で下し、A組ではメキシコがカメルーンに1-0で勝った。

 ▽1次リーグB組

オランダ 5(前半1-1、後半0-4)1 スペイン

 「4年前も」平静装う

 「なぜ5点も失ったのか。説明する言葉が見つからない」。スペインのデルボスケ監督はうなだれるしかなかった。かたや、オランダのファンハール監督は「期待通りの形でゴールを決めてくれたが、その数は期待をはるかに上回った」と、驚きを隠さなかった。

 史上3チーム目の連覇を狙う“無敵艦隊”のW杯での連勝は「6」で止まった。南アでもスイスとの初戦に敗れながら、頂点まで駆け上がったが、シャビ、イニエスタら主力が変わらない分、平均年齢は上がった。「ティキタカ」と呼ばれる独特のパス回しも研究し尽くされ、攻撃サッカーを捨てて5バックの守備的布陣を敷いたオランダに封じ込まれた。

 スペインの前半は悪くなかった。27分にディエゴコスタが微妙な接触で獲得したPKをシャビアロンソが決めて先制。しかし、前半終了間際に長いクロスで最終ラインを破られ、ファンペルシーのダイビングヘッドで同点にされた。後半8分の勝ち越し点は、ロングボールを空中で鮮やかにトラップしたロッベンに決められた。20分にはゴール前に上がったFKでGKカシリャスがファンペルシーに倒されたが、主審の笛は鳴らず、デフライに押し込まれた。27分にカシリャスの不用意なミスでファンペルシーに2ゴール目を献上し、35分には、スナイダーが自陣から出した縦パスに素早く反応したロッベンにとどめを刺された。

 南アでは7試合でわずか2失点のカシリャスは「ファンに謝りたい。批判は甘んじて受け入れる」と、最悪の結果の責任を主将として背負い込んだ。デルボスケ監督は「個人を責めることはできない」とかばい、「4年前も同じ経験(初戦敗退)をしている」と平静を装った。

 伝統捨てたオレンジ軍団

 だが、オランダが見せた戦術は、スペインを根幹から揺るがした。オランダの作戦は明快だった。スペインにボールを持たせて5バックで待ち構え、反則覚悟の激しい当たりでつぶしてボールを奪い、ロングボールを入れる。

 伝統の4-3-3では勝ち目がないと判断し、スペイン戦だけのために敷いた新布陣がズバリと的中。動揺するスペインをあざ笑うように、カウンターが次々と決まった。2点をアシストした左DFのブリントは「スペインの映像は繰り返し見たし、全員が何をすべきか分かっていた」と言い切った。

 それぞれ2ゴールを決めたファンペルシーは「現実じゃないみたい」と素直に驚き、ロッベンは「1次リーグだから、リベンジなんかじゃない」と、気を引き締めた。

 前評判が低かったオレンジ軍団が意地とプライドで、無敵艦隊を打ち倒した。(SANKEI EXPRESS

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