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【Q&A】脱法ハーブ 吸引で事故多発 4月から所持・使用禁止

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【Q&A】脱法ハーブ 吸引で事故多発 4月から所持・使用禁止

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暴走事故を起こした車両を調べる警視庁の捜査員=2014年6月25日午前0時30分ごろ、東京都豊島区西池袋(共同)  東京・池袋駅前の繁華街で、暴走した車が歩道に突っ込み8人が死傷した事故で、逮捕された容疑者の男が「脱法ハーブを吸って運転した」と供述し、脱法ハーブの危険性や規制の在り方に注目が集まっています。

 Q 脱法ハーブとはどのようなものですか

 A 法規制の網を逃れて販売される脱法ドラッグの一種で、乾燥した植物片に薬物を染みこませたものを指します。たばこのように巻いて煙や蒸気を吸うと、気分が高揚したりする効果があるとされます。店頭やインターネットで販売されて若者を中心に広がり、さまざまな問題を引き起こしています。

 Q なぜ「脱法」と呼ばれるのですか

 A 麻薬や覚醒剤のような違法薬物には当たらないからです。承認や許可を受けていない薬品を吸引などの目的で売ることは違法で、警察も取り締まりを強めていますが、業者はハーブを「お香」や「観賞用」の名目で販売し摘発を免れてきました。

 Q 脱法ハーブを使った当事者や周囲にはどのような影響や問題が起きているのですか

 A 脱法ハーブには麻薬や覚醒剤に似た作用があり、意識障害や幻覚、呼吸困難といった健康被害を起こすこともあります。池袋のケースだけでなく、脱法ハーブを使って車を運転中にこれらの症状が現れ、死傷者が出る事故が多発しています。覚醒剤などに比べて安価で簡単に入手できるため、興味本位で吸引する若者も多く、中高生が急に体調不良を起こし搬送される事例も後を絶ちません。

 Q 規制はどうなってきたのでしょうか

 A 厚生労働省は、幻覚や興奮作用がある物質を「指定薬物」とし、医療目的以外の製造や販売を禁じてきました。しかし、新たに指定されるたびに化学構造の一部を変えただけの新種が次々と出回る「いたちごっこ」となったため、基本構造が似ていればまとめて規制対象となる「包括指定」が導入され、現在では1300種類以上が対象になっています。今年4月からは所持や使用も新たに禁止されることになり、買う側も処罰対象となりました。

 Q 取り締まりは今後どうなるのでしょうか

 A 池袋の死傷事故を機に脱法ハーブは大きな社会問題として政府も対策に乗り出しました。違法薬物に近いのに「脱法」と呼ぶことで気軽な購入や使用につながるとして、呼称の変更や規制の強化が検討されています。

 ≪「脱法」の呼称変更へ≫

 田村憲久(のりひさ)厚生労働相は8月27日の会見で、池袋での車暴走事故を受け、「脱法ハーブ」の呼称について、「法律違反ではないというイメージが気軽な購入、使用につながる恐れがある」と述べ、危険性を正しく認識できるものへの変更が必要との考えを示した。その上で、「さらなる規制、取り締まりを警察と協力していく」と強調した。

 古屋圭司(けいじ)国家公安委員長も会見で、脱法ハーブを含む脱法ドラッグの呼称について、「事実上、違法薬物に近いのに『脱法』と言うと、国民の誤解を招くことがある」と述べ、変更する考えを表明した。

 具体的な呼称については「どういう形がいいかも含めて(厚労相と)よく相談したい」と述べるにとどめた。(SANKEI EXPRESS

 【脱法ハーブが原因とみられる主な交通事故】

2012年10月 愛知県春日井市で会社員のライトバンにはねられ女子高生が死亡。愛知県警が車内から脱法ハーブとみられる植物片を押収

2013年4月  東京都中野区で男の乗用車が車6台に衝突、5人負傷。男は「ハーブを吸っていた」と供述し、警視庁が植物片を押収

2014年2月  福岡市で乗用車が車10台に次々衝突、歩行者を含む15人が負傷。運転していた男が「脱法ハーブを吸った」と供述

2014年6月  東京・池袋で暴走した車が歩道に突っ込み8人死傷。逮捕された男が「脱法ハーブを吸って運転した」と供述し、警視庁はハーブとみられる植物片を押収

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