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「体内エネルギーフロー」の意味 大和田潔

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「体内エネルギーフロー」の意味 大和田潔

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 【青信号で今週も】

 拙書『炭水化物の新常識』(永岡書店)では、「エネルギーフロー」について触れました。エネルギーフローはもともと工業など産業で使われている言葉です。工場は、重油や電力の供給を受けて、さまざまな活動をして製品を生み出します。工場に「注がれた」エネルギーが、水のように隅々まで「流れていき」、製品を作り出す活動を行います。このようにエネルギーが流れるさまを「エネルギーフロー」と呼びます。

 人間が食事という形でエネルギーを体に供給し、多種多様な臓器でそれを利用していくさまはまさに工場のようです。私は、この流れを「体内エネルギーフロー」と呼んでも良いのではないかと思いました。生きていくのに必須のエネルギーの消費である基礎代謝と、運動などで消費される生活活動代謝。食事制限だけでなく、この2つを上げることが体内エネルギーフローを潤滑にします。

 人間のエネルギー消費は、基礎代謝が7割、生活活動代謝が3割です。若いうちは痩せているのに、年齢とともに太ってしまうのは、基礎代謝量が低下することが原因です。同じように食事をしていても、使用量が減るために余ったエネルギーが脂肪となって蓄積します。若いときには盛んに楽しく体を動かす運動部に所属していても、仕事に追われるようになると運動量が落ちて生活活動代謝も低下します。基礎代謝量の低下と生活活動代謝の低下のダブルパンチになります。

 単純に食事量を減らすと、脂肪だけでなく筋肉も減少します。運動量を増やしても、それを上回る食事は肥満につながります。運動を行って筋肉量を維持しながら、体重増加にならない食事内容にコントロールすることが必要です。うまく筋肉量が増えると、基礎代謝量が増えて太りにくくなります。

 私は、そういった状態を「体内エネルギーフローの良い体」と呼んでいます。痩せていてもフローの悪い体では、健康的とはいえません。炭水化物を摂取することは、筋肉の活動を支えます。筋肉は運動によって、糖を取り込みやすく消費しやすいものに改良されます。エネルギーフローを整えられるような、バランスのとれた食事と楽しい運動を組み合わせていくことにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS

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