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フランスの「品種名記載付きヴァン・ド・フランス」 青木冨美子

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フランスの「品種名記載付きヴァン・ド・フランス」 青木冨美子

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講師を務めたヴァレリー・パジョタン女史(右)と生産者のローラン・ドロネイ氏(左)=2014年7月17日(青木冨美子さん撮影)  【ワインのこころ】

 ラベルにぶどう品種名を記載したアメリカやオーストラリアなどのワインは“ヴァラエタルワイン”と呼ばれています。世界的に人気のあるカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)やシャルドネ(CH)などの数品種の特徴をつかんでおけば、ワイン選びも楽にできるので消費者には受け入れやすいワインです。

 かたや、フランスなどの歴史ある生産国は、原則として、“産地名=ワイン名”なので、シャブリならば、シャブリ地区=シャブリとなり、その土地の個性を反映した品種がCHという理解になります。フランスの生産者は“テロワール”という表現をよく使いますが、これは、ぶどうに現れる“畑の個性”を指しています。

 そのフランスが2009年に新カテゴリー“ヴァン・ド・フランス”を誕生させました。フランス全土で収穫されたぶどうであれば、どの畑のものでも自由にブレンドできるワインで、ラベルには、生産国、ぶどう品種名、ビンテージが記載してあります。

 先日、管轄のヴァン・ド・フランス委員会からヴァレリー・パジョタン取締役=写真右=と生産者のローラン・ドロネイ氏=写真左=が来日し、日本初のヴァン・ド・フランスセミナーを行いました。価格は1000円前後、日本は輸出量3%で、7番目の相手国だそうですが、私はまだ一度も見たことがありません。一番気になったのは“テロワール”の不在。ドロネイ氏は「従来のテロワールワインとそれを外したヴァン・ド・フランスという2つの家族がフランスに誕生した」と述べていましたが、味わい面では、もう少し追求すべきカテゴリーだと感じました。(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS

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