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【私のおしゃれ学】ドラムボーカリスト シシド・カフカさん ライブで魅せる強烈なビート
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ハッとするような美貌。スラリとしたしなやかな肢体。だが、ひとたびスティックを握ると、長い黒髪を振り乱し、強烈なビートをたたき出す。
日本の音楽シーンに彗星(すいせい)のように現れた注目のアーティスト。その抜群の存在感とパフォーマンスは、見るものを圧倒する。
ドラムボーカルという独特なスタイルのルーツは小学校4年にまでさかのぼる。
「ある音楽番組を見ていて、ひとつのバンドが演奏する際にドラムの方が一回も映らなかったんです。そこに感銘を受けました。『なんて地味で格好いいんだろう』って。テレビだったら映らない、ステージだったらスポットライトも当たらないのに、音楽の基盤を作っていて、あんなに大きな楽器を操っているということに心ひかれて、ドラマーになろうと決めました」
しかし、5歳からバイオリンを始め、「飽きっぽくて長続きしなかった」という“前科”があったため、「楽器はダメだ」と両親が許してくれなかった。
転機となったのは、父親の仕事の関係でアルゼンチンに移住してから。14歳の時に電子ドラムを買ってもらい、その楽しさにハマった。
もっとも、子供の頃からリズム感が抜群によかったわけではなかったという。
「運動神経が全くないので、リズム感はなかったですね。ドッジボールをすれば突き指するし、走れば転ぶし、運動という運動は全部ダメでした。音楽的センスが昔からあったかというと、そうではなかったと思うんです。ただ、音楽が鳴っている場所にいるのが好きでしたね」
高校時代からバンドを始め、大学時代は最高で8バンドを掛け持ち。本格的な音楽活動を始める。
ドラムの腕だけでなく、幼少の頃からクワイヤ(聖歌隊)に入っていたため、歌唱力にも定評がある。当初はドラムをたたかず、ボーカルでのデビューを目指していたが、なかなかチャンスは来なかった。そんなある時、「ドラムをたたきながら歌ってみれば」というプロデューサーのひと言が人生を一変させた。
「最初は、そんなの絶対無理だと思ったんですよ。でも、3カ月後にライブがあって、猛練習しましたね。そのライブは散々だったんですよ。腕は上がらないし、窒息するって、こういうことなのかって(笑)。それでも、周りの人は『これはいける』と思ってくれて、私自身も『いけるんじゃないか』という手応えみたいなものがあったんです」
このドラムボーカルというスタイルが受けて大ブレーク。以降、CM、モデル、ラジオのパーソナリティーなどと活躍の場を広げている。
それでも、「私はあくまでもミュージシャン。ミュージシャンがモデルをやらせてもらっているという感じですね」。
当面は曲作りをしながら、ライブを中心に活動していく。
「今はライブハウスがほとんどなんですが、もっと大きなところでやって、たくさんのお客さんに見てもらいたいですね」
そのか細い体には、とてつもなく大きな可能性が秘められている。彼女の独特な世界は、これからも限りなく広がっていくことだろう。(文:本間普喜(ひろき)/撮影:フォトグラファー 大石一男/SANKEI EXPRESS)
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