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勝俣東電元会長ら3人「起訴相当」 原発事故で検診議決「津波対策は可能だった」

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勝俣東電元会長ら3人「起訴相当」 原発事故で検診議決「津波対策は可能だった」

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東京電力福島第1原発事故で、検察審査会が当時の東電経営陣の「起訴相当」を議決し、張り出される議決書=2014年7月31日午前、東京地裁(栗橋隆悦撮影)  東京電力福島第1原発事故をめぐり、東電旧経営陣を不起訴とした検察の処分を審査していた東京第5検察審査会は7月31日、勝俣恒久元会長(74)ら3人を業務上過失致死傷罪で「起訴相当」と議決したことを公表した。議決は7月23日付。

 検察は再捜査に着手し、刑事処分をもう一度判断する。再捜査でも検察が不起訴とした場合、検審は再度審査を実施。「起訴すべきだ」と議決した場合、3人は強制的に起訴される。

 検審が起訴相当としたのは、勝俣氏と、武藤栄元副社長(64)、武黒(たけくろ)一郎元フェロー(68)。小森明生元常務(61)は「不起訴不当」、鼓(つづみ)紀男元副社長(67)と榎本聡明元副社長(75)は「不起訴相当」とした。

 検審は議決で、旧経営陣は「安全確保のために極めて高度な注意義務を負う。想定外の事態を前提とした対策を検討すべきだ」と断定。勝俣氏は「津波襲来の可能性についての報告に接していたと考えられる。最高責任者として適切な対応策を取らせることが可能だった」とし、武藤氏、武黒氏も適切な措置を取るべき立場だったと認定した。

 検察当局は2012年8月に福島原発告訴団などからの告訴・告発を受理して捜査を開始。昨年(2013年)9月に地震や津波は「具体的に想定されていなかった」などとして告訴・告発された計42人を不起訴とした。告訴団はこれを不服とし、旧経営陣6人に絞り、検審に審査を申し立てていた。

 勝俣元会長らへの起訴相当議決を受け、(7月)31日に東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した福島原発告訴団の河合弘之弁護士は、「適切な決定が出た。非常に感動的な内容だ」と興奮気味に話した。

 ≪望み薄い新証拠 難しい再捜査≫

 検察審査会の「起訴相当」議決を受け、東京電力福島第1原発事故の再捜査が始まる。だが、災害が引き金となった事故の刑事責任認定は難しく、新証拠が浮上する公算も小さいため、再捜査でも立件は相当困難な状況だ。ただ、東京第5検察審査会は捜査結果を否定する形で旧経営陣を厳しく指弾。検察は民意も意識しながら難しい捜査を展開することになりそうだ。

 「個人の責任」問えず

 「率直に言って意外な議決。捜査は尽くしており、今後どう捜査を展開するか頭が痛い」

 議決を受けて検察幹部は心中をこう吐露し、再捜査の難しさを強調した。

 検察の捜査は「事故を予見できる可能性があったか」「事故を回避できたか」という2点が重視されたが、浮かんだのは津波による全電源喪失が現実的な危機として共有されていなかった実態だった。

 国の地震調査研究推進本部(推本)は「三陸沖から房総沖でマグニチュード8.2前後の地震が発生する可能性がある」と公表し、東電自身も「福島沖で同規模の地震が発生した場合、原発に15.7メートルの津波が到来する」との試算を得ていたが、捜査の結果、東電内部でともに参考程度の扱いにとどまっていたことが判明。「旧経営陣らの事故の予見は困難」と認定した。

 事故を回避できたかについても、「試算の後、対策工事を着工しても震災までに工事が完了したか疑問」と結論づけた。

 法務省幹部は「事故への怒りは理解できるが、処罰できるかは別。そもそも災害に起因する事故で、個人の刑事責任を問うことに違和感がある」と話した。

 「安全神話」にあぐら

 だが、第5検審はこうした検察判断を真っ向から否定した。東電の対応について「(旧経営陣は)推本の予測について無視できないと認識しつつ、何とか採用を回避したいというもくろみがあった」「マニュアルの整備や事前訓練もやっておけば、本件の被害を軽減することができた」などと不備を指摘した。

 さらに東電と規制当局の認識についても不信感をあらわにし、「安全に対するリスクが示されても、単なる数値と見るだけで、『原発は大丈夫』という安全神話の中にいた。一般常識からずれていると言わざるを得ない」と批判した。

 検察の再捜査は関係者の再聴取を軸に、再び「予見可能性」と「結果回避可能性」を探る作業となる。福島原発告訴団が求めている関係先の強制捜査については、事故対応の業務を阻害する可能性もあり、慎重に判断する見通しだ。

 法務省幹部は「事故調査委員会などで調査も尽くされており、驚天動地の新証拠が出てくる可能性は低いだろう。捜査しても再度不起訴となる公算が大きいが、はたしてそれで民意が納得するのか」と苦しい心中を話した。(SANKEI EXPRESS

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