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新体制で、もっと自由にできたら KIRINJI

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新体制で、もっと自由にできたら KIRINJI

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新体制の6人組KIRINJI。(写真前列左から)田村玄一、楠均、千ヶ崎学、(後列左から)コトリンゴ、弓木英梨乃、堀米高樹(提供写真)  「自分が思い描いていた以上の、いいものができたと思いますよ」と笑顔で話すのは、リーダーの堀込高樹。1997年のデビュー以来、堀込兄弟によるバンドとして人気を博してきたキリンジが、弟の泰行(Vo,G,Cho)の脱退を機に、2013年夏より兄、高樹(G,Cho,Vo)を中心とした新体制の6人組KIRINJIとしてスタートした。アルバム「11」完成時に話を聞いた。

 各自が歌を担当

 「ボーカルがいなくなったことで、より音楽的に自由にできるかなと、考えました。僕が好きなバンド、たとえばビートルズやビーチ・ボーイズ、ザ・バンドはメーンボーカルに決まった人がいるわけではなくて、他の人も歌い、それでハーモニーもやって、楽器もいろいろ持ち替えてみんなで演奏する。そういう感じのグループになれたら面白いと思ったんです」

 アルバムでは4人がメーンボーカルを担当する。しかも田村玄一、楠均、千ヶ崎学の3人は、これまでサポートしてきた気心の知れたミュージシャンだ。「レコーディングは今までより自由度の高いスタイルだし、特にミックスの仕上がりなど制作の最後まで加われたことが大きな違いだった」(楠)

 まだ23歳の弓木英梨乃は、堀込曰く「若い女性のギタリストが真ん中でバリバリ弾いている絵は明らかに面白いと思って」大抜擢(ばってき)され、その当人は「アルバムを作るのもバンド活動も初めてで新鮮だし、毎回みなさんが違う演奏をするのも新鮮で、ついて行くのは大変だけど楽しい」と話す。ここに「エレガントなコトリンゴさん」(堀込)が加わり、どの曲からも楽器で会話するように和気藹々(あいあい)と演奏している様子が伝わってくる。

 なかでも評判の高い「雲呑ガール」は、各自がエキゾチックなフレーズから感じる雰囲気を追いながら曲を完成させ、最後に新宿にある花園神社の蛇娘を想起させる歌詞に行き着いたという。

 「『先にギター1本で弾いたメロディーと歌詞があって』ということだと、どうしてもその歌詞に縛られたアレンジになりがちですよね。でも僕は『音楽』を作りたいわけだから、音楽的に自由に発想して、そこにフィットする歌詞を付ける方がやりやすい」(堀込)

 これらの曲は達人たちによって、9月からのツアーでさらに面白く進化していくのだろう。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS

 ■キリンジ 2013年春のツアーをもって弟・堀込泰行が脱退。兄・堀込高樹がバンド名義を継承し、13年夏から田村玄一(Pedal Steel,Steel Pan,Banjo,Vo)、楠均(Dr,Per,Vo)、千ヶ崎学(B,Trombone,Vo)、コトリンゴ(Vo,Piano,Key)、弓木英梨乃(Vo,G,Violin)を加えた6人編成に。9月から全国13カ所でツアーを行う。

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