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延長四十五回死闘 決着まだ 高校軟式野球準決勝 きょう4日目突入

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延長四十五回死闘 決着まだ 高校軟式野球準決勝 きょう4日目突入

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第59回全国高校軟式野球選手権大会の準決勝で、延長45回まで戦っても勝負がつかず引き揚げる中京(左)と崇徳の選手=2014年8月30日午後、兵庫県明石市の明石トーカロ球場(共同)  スコアボードには延々と「0」が並んだ。第59回全国高校軟式野球選手権大会で28日から続く中京(東海・岐阜)と崇徳(そうとく、西中国・広島)の準決勝は30日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場で延長三十一回から再開され、四十五回まで計9時間18分戦っても0-0で勝負がつかなかった。31日は四十六回から始まり、大会規定で最長五十四回まで実施される。それでも決着しない場合は打ち切りとなって抽選で決勝進出を決め、三浦学苑(南関東・神奈川)との決勝がその日のうちに行われる。

 28日に行われた準決勝は無得点のまま延長十五回、サスペンデッドになり、十六回から再開した29日も三十回まで0を並べ、これまで2度あった最長記録の二十五回を超えた。

 両エース600球超

 大会史上初めて3日目にもつれ込んだ戦いでも中京は松井大河投手、崇徳は石岡樹輝弥投手が引き続き登板。ともに1人で投げ抜き、合計の球数は松井が635、石岡が617にも及んだ。

 両エースは試合後、疲れを隠そうとしなかったが、松井は「そんな(日本一の)記録は作りたくなかった」と苦笑いしつつも、「最後まで投げ抜きたい」ときっぱり。石岡も「相手の投手も投げていて、意地があった。燃える」と続投の意欲は衰えていない。4日目については、松井が「明日は明日で切り替える。早めに決めて決勝に臨みたい」といえば、石岡も「明日は一回にすぐ終わらせたい。次は絶対、(点を)取ってくれると思う」と応じた。

 試合では、中京、崇徳ともに決定打が出ないもどかしさが漂った。中京が三十一回に2死一、二塁のチャンスを迎えれば、崇徳も三十二回に三塁までランナーを進めるなど両校とも得点圏に再三ランナーを進めたが、あと1本が出なかった。試合後、中京の平中亮太監督は「負けない野球を貫いているが、1点をもぎ取るのが難しい」と疲れ切った様子で話し、崇徳の中河和也監督は「いまひとつ押し込めなかった」と悔しさをにじませた。

 「世界最長」を更新

 軟式野球は硬式野球と比べると、打者に対する投手の優位度が高いため、点が入りにくい。投手優位の理由は、(1)球が飛びにくく長打が少ない(2)球が軽いため、硬球ならファウルになるような当たりが軟球だと前にはじかれ、凡打でアウトになってしまう-などが挙げられる。このためレベルが高い試合ほど延長戦になることが多く、点が入りやすくなるようにこれまで、マウンドの傾斜を緩くしたり、公式球の基準を変えるなどの措置が度々とられてきた。

 社会人が出場する「天皇賜杯全日本軟式野球大会」では、ライト工業(東京)が田中病院(宮崎)に勝った1983年の決勝で延長四十五回を記録(試合時間8時間19分)。東京ドーム内にある「野球殿堂博物館」には、この試合を「世界最長野球」と報じた当時のスポーツ新聞が展示されており、報道に基づけば、今回の試合は最長記録を更新したことになる。

 頑張れ両校ナイン、そして両エースは悔いのない投球を。(SANKEI EXPRESS

 ■全国高校軟式野球選手権大会 1956年に開始した高校軟式野球の日本一を競う大会。日本高校野球連盟の主催で毎年8月に行われる。47都道府県を16ブロックに分け、各ブロックの大会を勝ち上がった16校がトーナメント方式で戦う。当初は藤井寺球場で開催されていたが、現在は明石トーカロ球場を主に使用している。使用球は全日本軟式野球連盟公認のA号球。ベンチ入り選手は16人。最多優勝は作新学院(栃木)の8度。

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