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【内閣改造】首相「谷垣さんしかいないと思った」

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【内閣改造】首相「谷垣さんしかいないと思った」

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内閣改造を終え、記者会見する安倍晋三(しんぞう)首相=2014年9月3日夕、首相官邸(共同)  「諸政策を心機一転、さらに大胆かつ力強く実行するために本日、内閣改造を行った」

 安倍晋三首相は3日夜の記者会見で、自民党役員・内閣改造人事の狙いと意義について、こう強調した。

 今回の人事で最大の注目を集めたのは、地方創生相に就いた石破(いしば)茂氏の後任幹事長が誰になるかだった。

 首相にとって、党ナンバー2の幹事長交代は既定路線だった。首相は石破氏の政策立案力や答弁能力は買っているものの、その政治手腕や調整力への評価は必ずしも高くない。

 第1次安倍政権時に退陣を迫られたしこりもあり、ずっと二枚看板での党運営を続ける考えはなかった。実は首相は、8月半ばには谷垣禎一(さだかず)氏に幹事長を要請する方針を固め、ごく少数の側近に伝えていた。

 「来年9月の自民党総裁選までには福島、沖縄などの知事選や統一地方選がある。党内をまとめて挙党態勢をつくるためには谷垣氏しかいなかった」

 そのうちの一人はこう明かす。苦しい野党時代に地道に党総裁を務め、「政権交代に道筋をつけた」(首相)実績のある谷垣氏が適任というわけだ。

 首相自身も周囲に「谷垣さんしかいないと思った。問題は谷垣さんが受けてくれるかどうかだった」と振り返る。首相は今週、菅義偉(すが・よしひで)官房長官とともに躊躇(ちゅうちょ)する谷垣氏と極秘で会談し、「党が一致団結するために力を貸してほしい」と要請して了解を取り付けた。

 「たった2年で計5%も消費税を上げた国なんてないよ」

 首相は日ごろから周囲にこう語り、わずか2年半で5%から10%まで一気に消費税率を上げるのは異例だと強調している。また、消費税率上げに熱心な財務官僚のあり方に、こんな感想を漏らしたこともある。

 「彼らは面白いな。日本を将来にわたってどうしようかという将来像は描こうとせず、単年度の財政にばかりこだわる」

 そんな首相と財務相経験者の谷垣氏の考え方は食い違うとの指摘もあるが、この点は今週の両者の極秘会談でクリアできたという。首相は周囲にこう語った。

 「突っ込んでいろんな話をしたが、消費税についても谷垣さんは結構ニュートラル(中立的)だった」

 谷垣氏のグループ「有隣会」からは、谷垣氏が消費税率上げに関する自民、公明、民主各党による「三党合意」の当事者であることから、「万一消費税率上げを凍結することになり、それを谷垣氏が黙認したら政治生命に重大な影響が出る」と懸念の声も上がる。だが、谷垣氏自身は3日の幹事長就任直前、周囲に「自分の政治生命なんて、そんなこと考えちゃいけない」と漏らした。首相は、そういう谷垣氏の人柄も織り込み済みなのだろう。

 ≪「女性議員の星に」 稲田氏を大抜擢≫

 もう一つ今回の人事で目立つのは、「女性の輝く社会の実現」を掲げ、女性の積極登用を目指す首相が6人の女性を要職に起用したことだ。

 中でも、抜擢(ばってき)人事といえるのが、衆院当選3回の稲田朋美氏を党三役の一つであり、政策をつかさどる政調会長に起用したことだ。

 「稲田さんを女性議員の星にしたい」

 首相は先月初旬、当時は行政改革担当相だった稲田氏について周囲にこう語っていた。また、改造で現職から外すことになった場合でも「きちんとメーンテーブルに据える」と明言した。稲田氏を将来の女性首相候補の一人として扱い、経験を積ませて育てたいという考えからだ。

 弁護士だった稲田氏を保守派の論客として見いだし、衆院選への立候補を要請したのは首相自身だった。また、日ごろから「もっと経済界とも付き合い、視野を広げた方がいい」などとアドバイスしてきた。

 ただ、当初から政調会長など党三役に就けるつもりだったわけではない。自身も稲田氏と同じ衆院当選3回で小泉純一郎首相(当時)に幹事長に大抜擢されて苦労も経験しただけに、8月初旬ごろには周囲にこう語っていた。

 「三役になれば官僚ではなくて党と先輩政治家を使わなくてはいけない。政調会長になっても、党の各部会長と当選回数が一緒だとやりにくい」

 それが一転、政調会長への起用となったのは「スターをつくるチャンスだ」と考え直したからだ。あえて稲田氏に「試練」を与え、政治家として成長させたいという狙いがあるのだ。

 同様に、将来の女性首相候補と目される40歳の小渕(おぶち)優子経済産業相についても、首相は早くから入閣させる意向で、小渕氏の周囲にもそう伝えていた。

 首相は一昨年12月の第2次安倍内閣発足時にも、小渕氏に入閣を要請していた。このときは「ありがたいが、もっと勉強してからお願いしたい」という小渕氏側の考えで、結局、閣僚ではなく財務副大臣に落ち着いた。

 その小渕氏を、世論が分かれ原発再稼働問題も所管する経産相に充てたのは、首相が小渕氏は重責を担えると判断したためだ。盟友的な存在である高市(たかいち)早苗総務相や山谷(やまたに)えり子拉致問題担当相のほか、43歳の有村治子女性活躍担当相を初入閣させたのも、政治家として飛躍を期待してのことだろう。

 「(6人の女性は)いずれも重要政策を担うポストだ。十分そのポストに就く能力のあるメンバーだと確信している」。首相は記者会見でこう強調した。(SANKEI EXPRESS

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