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【取材最前線】徳洲会 首謀者不起訴、遠い健全化

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【取材最前線】徳洲会 首謀者不起訴、遠い健全化

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公選法違反事件をめぐる徳田ファミリーと幹部の役割=2013年11月12日現在  「残念です。検察に失望しました」。取材で昨年、何度かお会いした医療法人「徳洲会(とくしゅうかい)」グループ幹部と先日、久しぶりにお話ししたところ、いきなりこんな言葉を投げられた。

 徳洲会グループは昨年9月、公職選挙法違反容疑で東京地検特捜部などの強制捜査を受け、創業者の徳田虎雄(とくだ・とらお)元衆院議員(76)の親族やグループ職員ら計10人が起訴され、いずれも有罪が確定している。この幹部は、実は強制捜査前の段階から特捜部検事の事情聴取を数回受けていた。できる限り捜査に協力し、この捜査を機に徳田一族による徳洲会のゆがんだ支配体制が一掃されて、健全な組織へと生まれ変わるのではないか-そんな期待に賭けていたという。

 彼の期待を裏切ったのは、今回、東京地検が事件の首謀者と認定された虎雄氏を不起訴(起訴猶予)としたことだ。証拠上は起訴相当と認められたが、難病で療養中との事情から、首謀者を裁きにかけないまま幕を引く選択をした。検察としては、前例のない選挙違反の全貌をきっちり暴き、「目的は達した」との思いがあるのだろう。

 「ですが、私たち徳洲会にとっては中途半端な処理でした。これでは徳田家との決別は進まないままです」

 幹部はこれ以上詳しく内情を語らないが、徳洲会がいまだ健全化にはほど遠い状態にみえるのは事実だ。今年になってからも、執行部が不透明な支出をしていた問題が露見し、これをめぐって徳田家の一部が責任追及の「謀反」を起こすなど、家族間の覇権争いともみえる内紛が続いている。一方、徳田家排除を主張していた病院長の1人は排斥され、グループを去った。

 問題は、虎雄氏の影響力がどれだけ排除されたかだ。虎雄氏は昨年秋、医療法人理事長職をすべて退いたが、グループ内の意思決定にはいまだ虎雄氏の承認が必要だといわれる。虎雄氏が全株保有するファミリー企業群が医療法人の物品調達などを仲介するシステムも、少なくとも今年春までに改められてはいなかった。

 組織的に違法行為を行っていた徳洲会グループに対しては現在、国税庁や厚労省の調査が進行中だ。日本最大級の医療・福祉グループの存亡はそのまま全国各地の地域医療に影響するだけに、目を離せない。(石塚健司/SANKEI EXPRESS

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