Ｑ　どうして円安になったのですか

　Ａ　米国の景気回復への期待が高まったのがきっかけです。米経済が復調すれば、中央銀行である米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）が金利を引き上げる時期が早まるかもしれません。逆に日本は消費税増税後の落ち込みが予想より大きく、超低金利がまだまだ続きそうです。日米の金利差が広がるためドルに投資した方が有利だと考えた投資家が増え、円を売ってドルを買う動きが強まりました。

　Ｑ　円安になると暮らしにはどのような影響がありますか

　Ａ　輸入に頼っている小麦粉や大豆といった食品の価格が上がる恐れがあります。過去に円安が進んだ局面でも、パンや菓子、食用油、マヨネーズといった身近な食料品が値上がりする要因になりました。

　Ｑ　日本はエネルギーも輸入に頼っています

　Ａ　円安になると原油や液化天然ガス（ＬＮＧ）の輸入価格が上がるので、原油を精製してつくるガソリンや灯油、軽油は値上がりします。火力発電所はＬＮＧなどを使って発電しているので、電気料金が上がって光熱費の負担も重くなるかもしれません。

　Ｑ　企業への影響は

　Ａ　原材料の輸入価格が上がるとその分、支払いが増えます。コストの上昇分を販売価格に上乗せできないと、もうけが減ってしまいます。逆に海外に輸出する製品の円建て価格は上がるので、自動車や電機といった輸出企業の業績は改善が期待できます。その結果、従業員の賃金が増えれば家計にもプラスになります。

　Ｑ　海外旅行への影響は

　Ａ　円をドルなどへ両替した時に受け取る外貨が少なくなるため、海外旅行での滞在費やお土産の購入費の負担が重くなります。反対に、ドルなどの外貨を円に両替すると、より多くの円を受け取れるので、海外から日本を訪れる旅行者には有利になります。訪日旅行者が増えれば、観光業界には追い風になりそうです。（ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）