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【御嶽山噴火】山頂覆う灰 懸命の救助活動続く

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【御嶽山噴火】山頂覆う灰 懸命の救助活動続く

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噴火から3日目を迎えても激しく噴煙が上がる御嶽山(おんたけさん、3067メートル)山頂付近=2014年9月29日午前、長野・岐阜県境(本社ヘリから撮影、甘利慈撮影)  長野、岐阜両県にまたがる御嶽山(おんたけさん、3067メートル)の噴火から3日目を迎えた29日、長野・岐阜両県警と消防、自衛隊は550人体制で、山頂付近の登山道に残された登山者の救助活動を再開した。

 快晴の下、噴火した御嶽山の頂上だけが雪のように火山灰に覆われ、まるで月面のような異様な姿をさらしていた。29日午前、上空からヘリコプターで見ると、自衛隊員や警察官らが懸命に捜索活動を続ける様子がうかがえた。

 山頂付近にある神社や山小屋の周囲を集中的に捜索。グリーンの迷彩服の自衛隊員、警察官は薄ブルーと黄色の出動服姿だった。それぞれがヘルメットと白いマスクを着用し、かがみ込んで灰を掘ったり、救助した人を毛布にくるみ、担架に乗せていたりする光景が見られた。

 噴火から2日が過ぎても、火口からは白い煙がもくもくと高く上がっていた。山肌を覆う灰は太陽に照らされて乾燥し、ところどころにひび割れが生じていた。

 神社の社務所の屋根には噴火で噴き上げられた岩が転がったまま。山小屋も岩石の直撃を受けたのか、屋根が大きく壊れているところもあった。

 ≪モノクロの世界 励まし合って下山≫

 降り注いだ噴石が山小屋にぶつかり、天井からは大きな音が響く。御嶽山の山頂に近い「二ノ池本館」支配人の小寺祐介さん(34)は、逃げ込んできた登山者ら約50人にヘルメットを配り、火山灰にまみれて下山した。

 山頂付近では多くの人が心肺停止で見つかった。「犠牲者が出てしまったのは、残念でならない」。小寺さんが“その時”を振り返った。

 「わぁー」。標高約2900メートル付近にある山小屋に、数十人が叫びながら駆け込んできたのは27日正午ごろだった。小寺さんが外を見ると、すぐ近くで噴煙が空高く舞い上がっていた。

 登山者を小屋の食堂に誘導すると、天井から大きな音。「ガンガンガン」。噴石が次々に降り注いできた。大きな石が当たったトイレは、屋根が崩れ落ちた。

 「このままでは危ない」。館内にいた人全員を、屋根が二重になった場所に集め、ヘルメットを配った。「ここなら屋根が頑丈だから大丈夫。安心して」

 窓から外を見ると、噴煙で真っ暗だった。突然雷が鳴り、雨も降ってきた。自家発電機で照明をつけた。さらに逃げ込んできた登山者はずぶぬれで灰にまみれていた。

 1時間ぐらい過ぎただろうか。石が降り注ぐ音がしなくなり、雨もやんだ。外に出ると、見たことがない風景が広がっていた。「色がない」。白黒の世界に、言葉を失った。足元には火山灰が10センチ近く積もっていた。

 大声で登山者を励ましながら、9合目の山小屋「石室避難小屋」を目指し下山した。「1列に並んで。慌てないでゆっくりと」。時折吹き付ける強風に火山灰が舞い上がり、登山者は目や口元を手で覆った。

 石室避難小屋には、さらに100人近い登山者がいた。「まだ誰かが来るかもしれない」。一緒にきた登山者の下山をスタッフに委ね、小屋に残った。小寺さんが下山したのは、27日夕方だった。(EX編集部/撮影:写真報道局 大山文兄、甘利慈/SANKEI EXPRESS

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