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【花千代のビューティフル・フラワーズ】無機質素材がアクセント 菊のモダンスタイル
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無機質素材がアクセント_菊のモダンスタイル(Finish!)=2014年9月19日(花千代さん提供) 天高く馬肥ゆる秋、といいたいような秋の空、そして食欲の秋がやってまいりました。目にも美しく、また食用菊もあるように食べても独特の香気があり季節を感じる花、それが菊です。
春の桜に対して日本の秋を象徴する花ですが、それだけでなく歴史的にみて鎌倉時代の初めに、後鳥羽上皇が菊の花の意匠を好まれて自らの印として愛用。その後の天皇が継承したことで、「菊花紋」が皇室の紋として定着。高貴な花としてのイメージも浸透しました。
一般的には秋に咲く花ですが、短日植物なので、電照などを用いた作り方により、今では切り花は一年を通じて供給されています。最近はバラやカーネーションについで生産高の多い花卉(かき)となっているようです。食用にする「もってのほか」などの品種もあります。花言葉は皇室ゆかりということで「高貴」。鑑賞園芸的には和菊、生産園芸的には洋菊が中心に栽培されています。
日本では、薬草や観賞用植物として平安時代より用いられ、宮中では菊の節句と呼ばれる重陽の節句が旧暦の9月9日に行われ、現在でも秋の皇室園遊会(観菊御宴)はニュースでも取り上げられる風物詩となっています。
日本全国に愛好会が存在し、秋には品評会も各地でさかんに開かれています。また日本では伝統的に仏花や献花としても菊が使用されてきました。世界的にみても一部のヨーロッパ諸国や中国、韓国などでもお墓参り用のお供え花として菊が用いられることが多いようです。
今回メーンで使用した菊は「シャムロック」という種類で緑色の大輪の菊です。シャムロックとはクローバーのような植物でアイルランドの国花です。アイルランド語で「若い牧草」という意味だそうです。
アイルランドは別名“エメラルドグリーンの島”と呼ばれるくらいグリーンの多い国、そんな緑の島のシンボルとしてこのシャムロックが国花になったというのです。アメリカで3月に行われるアイルランド人のお祭り「セントパトリックデー」も参加者は緑色のものを身につけることが決まりです。
日本の菊がオランダで改良されてできあがったのがシャムロック。おしゃれなニュアンスがあるので、バラなどと合わせてブライダルブーケにもよく使われます。今回は紫色のラン「バンダ」と組み合わせて、ランの根っこやメタリックグリーンのワイヤでできた、異素材の球体オブジェなどを加えて菊をモダンな見せ方で活けています。
植物や花という有機物にガラス、スチール、プラスチック、メタルなどの無機物を合わせてみると一瞬にして新鮮な表情になりますので、読者の皆さまもぜひアレンジに取り入れてみてください!
はなちよ フラワー・アーティスト。パリでフラワーデザインを学ぶ。帰国後、CMや映画のスタイリング、フラワースクール経営など多岐に活躍。2008年の北海道洞爺湖サミットの公式晩餐会(ばんさんかい)の装花も手がけた。現在、花と家具のコラボレーションなど新境地に挑戦中。(フラワー・アーティスト 花千代/SANKEI EXPRESS)
HANACHIYO FLOWER DESIGN STUDIO (電)03・5422・7973
ブログ「花千代のHAPPY FLOWER LIFE」 http://hanachiyo.kireiblog.excite.co.jp/
■ヘッドアクセもすてきかも
先日、東京・下北沢のブックカフェB&Bで、拙著「若さを卒業すれば女はもっと美しくなる」刊行記念トークショーが行われました。お相手はドラァグクイーン界の知性派といわれるヴィヴィアン佐藤さん。2人とも頭には羽根でできたヘッドアクセを着用。次回はお花でできた巨大なおそろいのヘッドアクセもすてきかも!とひらめいたのでした。