ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
トレンド
【花千代のビューティフル・フラワーズ】和花であらわす秋の気分
更新
ケイトウを使った秋のアレンジ。和花であらわす秋の気分(Finish!、花千代さん提供) 8月もいよいよ後半にさしかかり、朝の起き抜けの空気や、さらりと吹く夜の風に、だんだん秋の気配が感じられるようになってきました。
秋といえば実物や果物、野菜など生り物(なりもの)が楽しみな季節。今回はお部屋の中でも秋の彩りを実感する、実物をポイントにしたアレンジを楽しみたいと思います。
このアレンジでは、質感や姿が個性的な草花を大胆にミックスしていきます。ふんわりとした見た目で愛嬌(あいきょう)のあるフウセントウワタや、流れるような枝ぶりに情緒が漂う実物のノバラに、色・姿ともクールな印象の黒唐辛子など。それに、凛とした青が印象的な秋の和花のリンドウや、カナダ産の紅葉をさらに赤く染めて加工した「ファーガス」を使います。
そしてメインの花には、まるでベルベットのように艶やかで温かみのあるケイトウを選びました。
漢字で「鶏頭」と表すように、ニワトリの鶏冠(とさか)にもそっくりですね。英語でも、「plumed cockscomb」(羽毛のある鶏のとさか)という意味だといいます。洋の東西を越え、花のイメージに普遍性があるというのは、何とも面白いと思いませんか?
また花に重ねる人の情にも、今と昔の時代を超えて共通するものがあるようです。
万葉集には、三十六歌仙の一人、山部赤人の歌で
わが屋戸に 韓藍蒔(からあいま)き生(おほ)し 枯れぬれど 懲りずてまたも 蒔かむとぞ思ふ
というのがあります。
この歌の中に出てくる「韓藍」とはケイトウのこと。この花がかつて朝鮮半島を経由して大陸から伝わったことがわかる名です。ケイトウには「色あせぬ恋」という花言葉がありますが、山部赤人の歌からも、赤々と燃え枯れることのない恋の情が伝わってくるようです。
かつてはお盆や彼岸の供花のイメージが強かったケイトウ。ですが、最近では品種改良が進み、ひと皮むけた印象に。その面白い質感と色合いから、今やフラワーアレンジメントの人気種となりました。
ケイトウの花言葉には、「色あせぬ恋」以外に「情愛」というのがあります。ケイトウを華やかなバラや蘭と一緒にアレンジし、結婚記念日や恋人の誕生日などに贈るのも洒落(しゃれ)ていますね。
アレンジにご用意いただくのは、長めの枝でフウセントウワタ1本、ノバラ1本。それぞれ3本くらいに切り分けて使います。ケイトウ5本、リンドウ3本です。黒唐辛子、ファーガスは3~5本をボリュームのバランスをみて使ってください。(フラワー・アーティスト 花千代/SANKEI EXPRESS)
ブログ「花千代のHAPPY FLOWER LIFE」 http://hanachiyo.kireiblog.excite.co.jp/
http://hanachiyo.kireiblog.excite.co.jp/
■金魚からインスピレーション
行ってきました! 夏の風物詩としてすっかり定着した日本橋三井ホール(東京都中央区)の「アートアクアリウム2014」。和をモチーフにデザインされた水槽、光・映像を駆使した最新の演出がすばらしく感激しました! 花を金魚にみたてた水中花の展覧会ってできないかな?とインスピレーションをいただきました☆