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この秋はニットがキーアイテム ファッションディレクターの関本美弥子さんに聞く
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マトリョーシカのトップス(3万2000円)とスカート(4万9000円)で、女性らしいムードのコーディネートに。ポインテッドトゥのヒール靴は「ペリーコ」(4万2000円)=2014年8月4日、東京都中央区(川口良介撮影)
トレンドアイテムや旬の着こなしを東京・松屋銀座の東京生活研究所のファッションディレクター、関本美弥子さんに聞く連載の12回目。今回はひと足早く秋のモードを先取りし、ワードローブに加えたいアイテムと、そのコーディネートのポイントをご紹介します。
「この秋は女性らしい雰囲気の着こなしがポイントになります」と、関本さんは秋冬の全体的な傾向を語る。
特に今年は久々に、ニットがキーアイテムに浮上。「ニットといえば素朴、カジュアルといったイメージを想起しますが、今シーズンは違います。デザインに遊び心がある、ユニークなものがふんだんに出てきて新たな着こなしが楽しめそうです」と関本さん。定番のトップスだけでなく、ドレス、コート、小物にまで今年はニット素材が幅広く進出。でも、まだ夏の気配が漂う秋口は「トップスならノースリーブや半袖、あるいはポイント使いができる小物などがおすすめ」という。
例えば「マトリョーシカ」の半袖ニット(3万2000円)は一見、オーソドックスなデザインだが、首元のパールネックレスは、それと見えるように別布を縫い付けだまし絵(トロンプルイユ)のようにしたユニークな一枚。ボトムスにはトレンドのフラワー柄を2種類使った太いプリーツのスカート(4万9000円)を合わせ、秋らしいエレガントな装いに。
さらにこの秋は、足元の装いで女性らしさをアップさせるのがポイント。コーディネートの要になるのは、「ポインテッドトゥ」と呼ばれるつま先がとがったデザインの靴だ。「昨年までは丸みのあるかわいいデザインが人気でしたが、今年はポインテッドトゥのヒール靴で大人っぽく仕上げましょう」。実は関本さんも秋用にと早速、買い足したとか。
またニット素材を取り入れた小物はこの秋、1つあると便利だ。
ベルギーのリエージュを本拠とする「デルフィーヌ・キラン」の帽子はフエルト生地にラメ入りのニットを貼り合わせ、華やかさとトレンド感を両立。ニットとはいえ、帽子も靴同様、エレガントなデザインが今年は気分にマッチする。
この帽子のように素材や柄をミックスした遊び心あるデザインは、この秋、より進化した形で登場しそうだ。持ち味の異なるさまざまな柄を1枚にコラージュした「アルコラージュ」のストールは、巻き方によって表情が変わる個性的なアイテム。「抽象画のような柄と幾何学柄を組み合わせたり、男性的な千鳥格子と一緒に女性らしい水玉があしらわれていたり。洋服での柄ミックスは難しそう、という人は、こうしたストールがあればミックスコーディネートが楽しめます」
一方、引き続き人気が高いスポーティーなデザインの洋服は、より女性らしく進化。「ミュベール」からは、アウトドア向けコートに見られるキルティング素材を使ったサーキュラースカート(2万8000円)や、スエット生地に赤い糸でハート型の刺繍とフラワーのモチーフを重ねたトレーナー(3万5000円)も登場。足元はエレガントなブーティーを合わせれば、甘くなりすぎない。
また数字や文字など、スポーツのユニホームに見られるモチーフもトレンドワードに浮上。数字の「3」があしらわれた「トリア」のニット(2万4000円)はフェミニンなニットのスカートと合わせ、足元をエレガントにまとめれば、“大人かわいい”着こなしがかないそうだ。
その他、この秋の注目点について「色はボルドーから赤系統、柄でいえば絵画的なモチーフなども旬」と関本さん。アートの要素やモチーフミックスなど、全体的に華やかムードの秋ファッションは、こうしたポイントを踏まえて挑戦してみたい。(文:津川綾子/撮影:川口良介/SANKEI EXPRESS)
※価格はすべて税抜きです。