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【トレンドを着こなそう!】Vol.11 浴衣 今年の洋服キーワードで選ぶ

 トレンドアイテムや旬の着こなしを、東京・松屋銀座の東京生活研究所のファッションディレクター、関本美弥子さんに聞く連載の11回目。今回は、夏らしい浴衣を中心にしたコーディネートをご紹介します。着物がおしゃれな日常着として再び注目されている今、まずは手ごろで着やすい浴衣からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 今、浴衣を楽しむなら、和装ならではの小粋な雰囲気はそのままに、トレンド感のある着こなしをしたい。でも洋服と違い、浴衣選びのポイントがいまひとつわからない…。そんな人に、関本さんは「今年の洋服トレンドのキーワードをもとに浴衣や帯を選んでみては」とアドバイス。

 植物柄、フェミニン

 まず紹介してくれたのが、「撫松庵」のフキの葉柄の浴衣と白地の帯=写真(1)。一見、オーソドックスな和装のように見えるが「まさにキーワードが詰まった一着」。色・柄をさまざまにミックスする、ここ数シーズン続く洋服のトレンドがうまく反映されているという。

 浴衣の柄はボーダーに植物を重ね、白、黄、水色といったトレンドカラーが組み合わさっている。また帯の後ろ姿はマルチカラーの細いボーダーでスポーティーな雰囲気。前面にはだまし絵(トロンプルイユ)的な手法で帯留めに見える花柄がプリントされ、遊び心が感じられる。

 また今季春夏の洋服は、フェミニンなムードが根強く人気。その流行を反映したのが、「りんのね」の浴衣だ=写真(2)。白地の浴衣全体に水色やピンクといったパステルカラーの花々が描かれ、帯は桃色の生地に白いレース模様が重ねられている。どちらも洋服でなじみのある柄や素材。ワンピースを着るような感覚で和装のおしゃれを楽しめそうだ。

 ビジュー使い、和洋折衷

 テイストが異なるアイテムを自由にミックスするコーディネートは洋服で経験済み、という方も多いだろう。その感覚を生かし、浴衣に洋風の小物を合わせてみるのもおすすめだ。

 たとえば涼しげなまとめ髪を作る際、「ビジューを使ったキラキラ系のヘアアクセサリーを髪に付けるとモダンなムードになります」と関本さん。写真(1)のようにビビッドな色使いの浴衣には、無色のクリスタルカラーのアクセサリーを合わせ、白基調で優しい色合いの写真(2)の浴衣には、カラフルなビジューを使った花模様のイヤリングやヘアアクセサリーで、華やかさを付け加えるのもいい。

 一方バッグは「洋服向けに作られた小ぶりの革製のものを浴衣や着物に合わせる人が増えている」(関本さん)。

 スペインのバッグブランド「ルポ」の白い革製バッグは、写真(1)の浴衣に似合う。「こうしたヘアアクセサリーやバッグはもともと和装用ではないので使い回しもききます」

 浴衣売り場でお気に入りを見つけたら、別のフロアで浴衣に合うアクセサリーやバッグを探すと宝探しのような気分になれそう。

 大丈夫! 着付け、ゲタ

 こうしてアイテムを買いそろえても、普段着慣れない浴衣を果たして粋に着こなせるのか。そんな苦手意識はつきものだ。そこで松屋銀座では、浴衣を買ったら、無料で着付けるサービスを8月31日まで実施。脱いだ洋服は自宅に無料配送し、1階では買ったヘアアクセサリーを使ったアレンジもアドバイス。

 またお祭りや花火大会ではゲタの鼻緒ずれが泣きどころとなるが、「四谷三栄」では、鼻緒と台を自由に組み合わせてオリジナルのゲタをコーディネートでき、さらに購入者の甲の高さや足幅に合わせ、職人さんが鼻緒を調整し、履き心地を整えてくれる。

 「こんなサービスを利用すれば和装も気軽に挑戦でき、おしゃれの幅も広がりそうです。また鼻緒を選ぶときは、柄か色のいずれか1つを、浴衣か帯と合わせると、コーディネートしやすいですよ」。夏祭りが待ち遠しい!(文:津川綾子/撮影:小野淳一/SANKEI EXPRESS

 ■せきもと・みやこ 1986年、米国トーメン入社。マーケティング業務などに携わる。89年、レナウン入社。レディースウエアの企画・立案などを経て98年から現職。百貨店、松屋銀座へのファッションディレクション、海外コレクション視察・分析、新規デザイナーの発掘などを手がける。

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