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【香港民主化デモ】バリケード撤去 香港デモ隊、高まる圧力

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【香港民主化デモ】バリケード撤去 香港デモ隊、高まる圧力

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香港大規模デモをめぐる主な動き=2014年6月20日~2014年10月3日、中国・香港  ≪反対派と小競り合い 観光業界など反発も≫

 民主的な選挙の実施を求める抗議デモが続く香港で13日午後、道路の占拠中止とデモ解散を求める約1000人の集団が、民主派の学生らが座り込みを続けている政府庁舎付近のアドミラリティ(金鐘)の路上に集結し、激しい口調で抗議した。反対派の一部はバリケードを撤去しようとして学生らと小競り合いになったが、警戒にあたっていた警官隊に引き離された。これに先立ち、香港警察はデモ隊の少ない地区でバリケードを撤去し、一部で車両の通行を復活させた。

 抗議デモの開始から2週間を超え、デモ隊への圧力が日増しに高まっている。

 抗議のクラクション

 反対派の多くは、同じ型の白いマスクやサングラスで顔を隠していたほか、同じデザインのプラカードを手にしていた。親中派の市民団体が動員し、組織化した集団の可能性がある。学生らが、「(反対派は)黒社会(暴力団)の関係者じゃないのか」と叫び、これに反対派が「おまえらには関係ない」とすごむ場面もあった。

 また、13日には金鐘の幹線道路に約30台のタクシーが集まって一斉にクラクションを鳴らし、デモ隊に抗議した。親中派以外にも、デモの影響で中国本土からの観光客が減ったとして旅行会社が民主派団体を相手取って損害賠償を求める裁判を起こす意向を決めるなど、抗議デモへの反発が出てきている。

 これに対し、民主派団体は、政府庁舎前広場をデモ隊に開放すれば、抗議の場を広場に移し、ビジネス街である金鐘の道路占拠を中止する、との歩み寄りをみせた。しかし、政府は13日になって、これを拒否した。

 「強制排除準備か」

 13日午前には、警察がデモ隊の少ない幹線道路などで一部のバリケードを撤去し、大規模デモの開始直後から遮断されていた車両の通行が部分的に復旧した。警察は「強制排除の目的はなく(鉄柵など)政府の所有物を回収して、障害物を撤去するだけ」と説明した。

 バリケードが撤去された地区は、金鐘のほか同じく香港島中心部のセントラル(中環)とワンチャイ(湾仔)、九竜地区の旺角(モンコック)。香港政府の梁振英行政長官(60)は13日、訪問先の中国広東省広州市で記者団に「現状を長引かせることはできない」と述べ、デモ隊の速やかな退去を改めて求める一方、衝突が起きないよう確認の上、デモ隊が使っていない障害物を撤去させたなどと説明した。

 当局が事実上のデモ規制となる措置を取ったことに対し、デモ隊の一部は「強制排除の準備ではないか」として、数十人が催涙ガスの防御策としてゴーグルやマスクを着用して路上に座り込み、警官隊とにらみ合う場面もあった。(香港 河崎真澄/SANKEI EXPRESS

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