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さらなる良質な「歌」へ完成度重視 Galileo Galilei
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音楽アーティスト、ガリレオ_ガリレイ。左から尾崎和樹21歳、兄の雄貴23歳、佐孝仁司23歳。大好きなバンドとして順にトラヴィス、フリート・フォクシーズ、ブラーの名を挙げる=2014年8月22日(提供写真) 最新ミニアルバム『See More Glass』を聴くと、彼らが新しい扉を開けたことにすぐに気づくだろう。たとえば「Mrs. Summer」の冒頭でのブレスを含んだ歌の表現力、「山賊と渡り鳥のうた」での歌メロに寄り添うギターやベースライン、サビの部分のドラム…。細部のコーラスのレイヤーも含め、丁寧に“歌”を聴かせることに徹しているのがわかる。
「2枚目のアルバム『PORTAL』から各自でプログラミングをし始め、メンバー全員にソングライティングを求めるようになっていって。そのため本来あるべき“歌”を作るという考えから遠ざかっていた部分があったので、今回は自分のソングライティング力を見直すためにも弾き語りから曲作りを始めました」(尾崎雄貴、以下同)
コンテストで優勝し、10代でデビュー。しかし北海道・稚内から上京したものの東京生活に慣れず、1年ほどで帰郷。札幌に自分たちでスタジオを作り、そこで共同生活をスタートさせた。前作『ALARMS』ではPOP ETCのクリストファー・チュウをプロデューサーに迎えていろいろ学んだというが、今作も彼を迎えたとはいえ、特にこだわりたい部分は別作業で進めた。
「クリスは歌い切ることが大事だと言ったけど、僕らは“この1行でとても良いのを録ろう”と、先にサビだけを録るなど、その時のテンションに合わせて録る部分を変えてつないでいった。それが歌に出ていると思う」
曲の全体像をスケッチして固めてから、そこに最高の歌声や上質のフレーズを個別に重ねていく手法を選んだ。また、これまでのストーリーに徹した歌詞に対し、今回から自分の身に起こったことを話に書き換える形で書くことにしたため、情感の込め方が自然と強まった。
「変わらないルールは“永遠は歌わない”こと。終わりのあることや、失われるものに美しさを感じるので。どんなに明るい曲でも何か切なさは必要だと思っています」
「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹」でAimerが歌っているのも、“歌”としての完成度の高さを重視したため。
「稚内は北海道の端っこで、港町特有の閉じ込められている感じがある。僕の妹や女友達など、そういう気分になっている女の子の代わりに歌ってあげる形にしたかった」
音楽と暮らし、切磋琢磨(せっさたくま)し続ける3人。早くも次にやりたいことに向けて気持ちが高ぶっているように見えた。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS)