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経済
【エコノナビ】「Ryokan」のブランド化
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外国人旅行者に人気の「東京でしかできない88のこと」という英語サイトがある。そこで紹介されている一つが「日本家屋に泊まる」。そして具体的な場所として「上野公園北側にある勝太郎旅館」が挙げられている。
外国人が泊まるのだから「英語が分かるスタッフがいるホテルがいいのではないか」と思いきやどうもそうではないらしい。こうした純和風の旅館が人気なのだという。
そこで、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)の青年部は「日本の旅館をブランド化して、海外の客をもっと取り込めないか」と考えた。そして三菱総研や国土交通省のシンクタンクである国土交通政策研究所などと一緒に「旅館ブランド研究会」を昨年9月に立ち上げた。
研究会がまず、取り組んだのは旅館経営者らの意識改革。昨年末から今年の初めにかけて325の旅館を対象に実施したアンケートの結果、約6割の旅館で外国人の集客に向けた取り組みをまったくしていなかった。その理由として挙げられた回答は「何をしていいか分からない」「対応ができない」。つまり、言葉の壁があるということで思考停止に陥ってしまっている旅館の現状が浮き彫りになった。
研究会はまた、今年2月に549人の外国人旅行者を対象に別のアンケートも実施した。それによれば「欧米系の7割以上、アジア系の5割以上が、旅館従業員の言語対応力が不十分でも、コミュニケーションが取れた」と回答していたという。しかも宿泊の満足度も総じて高かった。
何とも大きな意識のギャップではないか。調査から浮かび上がってくるのは、外国人旅行者は「日本でしか体験できない、日本の魅力」を求めており、言葉は大きな障害にならないということだ。それに対して旅館経営者側は自らの価値に気づかず、自信を持てないでいるのだ。
旅館での消費は地産地消につながるし、地方観光の起点にもなり得る。潜在的な外国人旅行者の訪日をもっと促すためにも“Ryokan”のブランド化は喫緊の課題だ。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)