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政治
【Q&A】政治とカネ 抜け道も残る国会議員「3つの財布」
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記者会見で書類のコピーを示して説明する小渕優子前経産相=2014年10月20日、東京都千代田区の経済産業省(小野淳一撮影) 自民党の小渕優子衆院議員が20日に経済産業相を辞任しました。小渕氏に関連する政治団体が開催した支持者向けの観劇会をめぐり、参加者から集めた会費収入と支出の間に多額の差があることなどが発覚し、責任を取った形です。「政治とカネ」の問題が起きるごとに、政治団体の資金の流れが焦点になります。
Q 政治団体とは
A 政治的な活動を行う団体のことを一般に指します。政治資金規正法では、政治上の主義や施策の推進、特定の政治家を支持するために設立された団体などと定義しています。議員らの活動に関し収支を明らかにすることで「国民の不断の監視と批判の下に」置くことを目的としています。毎年、政治資金収支報告書を提出することが義務付けられています。
Q 政治資金規正法上の政治団体はどのような団体を指すのですか
A (1)政党(「政党支部」を含む)(2)「政治資金団体」(3)「その他の政治団体」の3種類です。うち(2)は、政党がお金を集める受け皿として設置した団体のことで、自民党の「国民政治協会」や、民主党の「国民改革協議会」などが挙げられます。全ての党が設けているわけではありません。
Q 「その他の政治団体」は
A 幅広くあります。国会議員自らが代表を務め、個人からの寄付を受けるために設けた資金管理団体や、議員の後援会が代表例です。日本医師会の政治活動を担う「日本医師連盟」など業界団体や労働組合がつくる政治団体のほか、自民党内のいわゆる派閥も当てはまります。
Q 小渕氏の問題でも注目を集めた国会議員の関連政治団体とは
A 規正法上の政治団体の中で、特に議員や候補者に関するものは「国会議員関係政治団体」としてくくられ、透明性確保の観点から、ほかより厳しいルールがあります。例えば、収支報告書に人件費を除く1万円超の支出を記載し、1円以上支出した領収書を全て保管する必要があります。
Q どんな団体が該当するのですか
A 議員が代表を務める政党支部と資金管理団体、議員の後援会などです。それぞれに相手先や金額の制限がありますが、寄付を受け取れるため「政治家の3つの財布」と呼ばれることもあります。小渕氏が追及を受けた問題も、この3つの財布の支出絡みでした。
Q 収支報告書を見れば、資金の流れが全て分かりますか
A 事件や疑惑が起きるたびに、規制を新設する規正法改正が繰り返されてきました。直近では2007年の改正で、資金管理団体による不動産の新規取得禁止などが導入されました。ただ「1円以上の領収書」を保管する対象団体が限定されるなど「抜け道」も残っています。一層の透明性向上が必要です。
≪小渕氏本人の立件は困難か≫
小渕優子前経済産業相の政治資金の処理について、東京地検が捜査を進める見通しだが、政治家本人の刑事責任を問うのは難しそうだ。
群馬県の市民団体は小渕氏らに対する告発状を提出した。東京地検は告発を受理すれば、収支報告書の実際の作成、提出者の特定を進めることになるが、小渕氏本人を立件するには虚偽記入への具体的な関与を立証する必要がある。元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士は「小渕氏が虚偽記入を知っていたかどうかがポイントになるが、本人の会見を見る限り共謀はなさそうだ」とみる。
資金管理団体が「交際費」として下仁田ネギ代を群馬県の農家に支出していた問題でも、選挙区内の人に贈っていれば公選法に抵触する可能性はあるが、小渕氏は「県外の方への贈答」と説明している。(SANKEI EXPRESS)