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民主「政治とカネ」 追及は崩さず 枝野幹事長、収支記載漏れ 「のぼり旗」も法抵触恐れ
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民主党の枝野幸男(ゆきお)幹事長(50)=衆院埼玉5区=の後援会「アッチェル・えだの幸男と21世紀をつくる会」が2011年分の政治資金収支報告書に、11年2月の新年会の会費収入約243万円を記載していなかったことが29日、分かった。枝野氏は記載ミスだとして謝罪、29日中に報告書を訂正した。
新年会は11年2月6日、さいたま市内で開催。会費5000円を徴収し、487人が参加した。報告書には会場費として207万5000円の支出を記載したが、収入分の記載がなかった。
枝野氏は29日、国会内で記者団に、記載漏れに気付いて修正しながら誤って修正前の書類を提出してしまったと説明し、「最終チェックでも気付かなかった」と釈明した。
一方、枝野氏が長年にわたり自身の名前入りの「のぼり」を立てて街頭演説をしていたことも判明。枝野氏周辺がインターネット上に写真を投稿していた。総務省などによると、名前入りの旗を掲示できるのは事務所などに限られ、街頭での掲示は公職選挙法に抵触する可能性がある。
枝野氏は29日、産経新聞の取材に「政治活動のための演説会では許されるとの認識だ。一度も警告は受けていない」と述べ、違法性はないとの認識を示した。
≪枝野幹事長、収支記載漏れ 「のぼり旗」も法抵触恐れ≫
枝野幹事長に“ブーメラン”が突き刺さった。29日に明らかになった枝野氏の政治資金収支報告書の記載漏れと、公職選挙法に抵触しかねない名前入りの「のぼり」の街頭掲示。9月の幹事長就任以来、安倍晋三政権との対決色を強める枝野氏は自らの収支報告書の誤りを釈明しつつも、今後も閣僚の「政治とカネ」の問題を追及する姿勢を崩していない。
「はなはだ軽率なミスで大変恥ずかしい」
枝野氏は29日、国会内で記者団にこう語り、自らの後援会の新年会で約243万円の収入を収支報告書に記載しなかったことを低姿勢でわびた。
民主党内には「政治とカネ」で閣僚の「辞任ドミノ」を狙い、「返り血を浴びてでも追及する」との意見も出ている。それが党ナンバー2に降りかかる皮肉な事態になったわけだ。
閣僚追及の急先鋒(きゅうせんぽう)といえる枝野氏は17日、選挙区内でうちわを配布し、辞任した松島みどり前法相(58)について「政治の場面だけで決着をつけていい問題でもない」と主張。枝野氏の指示で民主党議員が17日、公職選挙法違反だとして松島氏を東京地検に刑事告発した。
自らも公選法抵触の恐れがある枝野氏だが、川端達夫国対委員長(69)は記者会見で「他とは歴然たる差がある」と枝野氏を擁護した。
枝野氏も収支報告書の誤りが発覚した望月義夫環境相(67)と小渕優子前経済産業相(40)には「理由や原因の説明をいただいていない」と追及の手を緩めない構えで、民主党は29日の衆院経済産業委員会でも外国人献金問題などを抱える宮沢洋一経産相(64)を追及した。
スキャンダル追及合戦と化した今国会だが、労働者派遣法改正案の審議が遅れるなどの影響も出ている。
「中傷合戦は美しくない。撃ち方やめになればいい」
首相は29日、官邸で面会した自民党の萩生田光一(はぎうだ・こういち)総裁特別補佐(51)にこう語った。しかし、枝野氏は30日の衆院予算委員会で自ら首相に閣僚の任命責任をただす予定と、「撃ち方やめ」の気配はまるでない。
≪菅官房長官「個々が責任自覚を」≫
菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は29日、記者会見で、枝野氏の後援会が、2011年分の政治資金収支報告書に新年会の会費収入を記載していなかったことに関し「疑念が生じることがあれば、説明責任を果たすべきだ」と述べた。
同時に「個々の政治家が責任を自覚し、国民に不信を持たれないよう襟を正すことが大事だ」と指摘。その上で「国民は建設的な政策論争を望んでいる」と強調した。
大塚高司国土交通政務官(50)が外国籍男性から計115万円の政治献金を受けたことについては「氏名などから日本人と思っていた献金者が外国籍と判明した。すぐ献金相当額を返金し、適切に処理している」と説明した。(SANKEI EXPRESS)