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【G20】首脳宣言採択 GDP「18年までに2.1%引き上げ」

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【G20】首脳宣言採択 GDP「18年までに2.1%引き上げ」

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G20(20カ国・地域)首脳宣言骨子=2014年11月16日、オーストラリア・クイーンズランド州ブリスベン  オーストラリアで開かれていた20カ国・地域(G20)首脳会合は16日、「世界の成長引き上げが最優先課題」と明記した首脳宣言を採択し閉幕した。世界全体の経済成長率を「2018年までに少なくとも追加的に2%引き上げる」との目標を定めた行動計画も策定。各国が成長戦略を完全に実施すれば2.1%の経済成長が可能だと試算し、各国に成長戦略の着実な実行を促した。

 首脳宣言では世界経済について「回復は鈍く、ばらつきがあり、必要な雇用を生んでいない」と分析した。その上で各国が「短期的な経済状況を勘案した機動的な財政戦略を実施する」とし、必要な場合は財政健全化を一時的に先送りしても、財政出動による景気刺激を行うべきだと強調した。

 議長国・豪州が主導したインフラ投資では、政府と民間、開発銀行が情報を共有し、投資促進のための国際機関を、4年の期限でシドニーに設立することにも同意した。この他、巨大金融機関への資本規制強化で一致したほか、エボラ出血熱の拡大防止などで協調する方針を確認した。

 首脳会合には、安倍晋三首相(60)と麻生太郎財務相(74)が出席。議長国は15年がトルコ、16年は中国が務めることが決まった。

 ≪成長戦略一色 かすむ財政健全化議論≫

 成長底上げが「最優先課題」だとする声明を採択したG20首脳会合では、日本に対して景気失速を回避するよう注文が集まった。安倍晋三首相はアベノミクスの成果を誇示する一方で消費税再増税の先送り判断については多くを語らず、財政健全化をめぐる議論はかすんだ。

 米、日本に直接懸念

 「好循環が生まれ、デフレ脱却へ着実に前進している。(今後も)経済をうまく動かして税収を増やしたい」

 首脳同士がざっくばらんに話し合った15日の非公式会合で、安倍首相はアベノミクスを通じて税収増を目指していくと力を込めた。再増税については「法律に従って判断する」とだけ述べ、景気が悪くなれば増税を中止する条項の活用をにじませた。

 日本に対する他国の視線は成長の落ち込みに集中した。景気が順調で世界経済の牽引(けんいん)役を一手に担う米国は、日本経済の自滅をとりわけ不安視している。「再増税して大丈夫か」。米財務省幹部は日本の財務省に水面下で懸念を伝えていた。ルー米財務長官は開幕直前に「回復を支えるため日本は財政出動が必要だ」とあからさまに求めた。

 「景気失速回避を」

 議長国オーストラリアのトニー・アボット首相(57)は、会議冒頭に「世界は数多くの問題を抱えており、成長力は弱い」と警告。ユーロ圏の停滞や新興国の成長鈍化に直面する世界経済に、日本の景気失速を見過ごす余裕はなかった。

 バラク・オバマ米大統領(53)が「全ての国が成長戦略と雇用拡大を打ち出した」と紹介したように、G20のメッセージは成長戦略一色となった。財政健全化を前面に訴えるドイツのアンゲラ・メルケル首相(60)の発言は目立たなかった。

 IMFも注視

 日本は過去のG20で財政健全化への具体策を説明している。新たな借金に頼らずに政策経費を賄えるかどうかを示す基礎的財政収支の赤字額を2015年度までに半減させ、20年度に黒字化する内容だ。財政事情が先進国で最悪の日本は、他国に比べ甘い目標が認められた。

 当時の民主党政権が10年に定めた目標は、安倍政権にも引き継がれた。甘利明(あまり・あきら)経済再生担当相(65)は、再増税を延期しても「可能な限り目標を堅持する」と強調する。これに対し、麻生太郎財務相は「目標達成が厳しくなる」と反論、国際社会からも批判されかねないと警戒する。

 今回のG20では、ウクライナ情勢や地球温暖化、エボラ出血熱など首脳が協議すべき議題がめじろ押しだった。経済の議論は成長戦略に偏ったが、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は「日本の中長期的な財政再建の動きを見守っている」と唯一警告を発した。(共同/SANKEI EXPRESS

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