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「木を使って森を元気に」 林野庁がシンポジウム

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「木を使って森を元気に」 林野庁がシンポジウム

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建築界のノーベル賞といわれる米プリツカー賞を受賞した建築家、坂茂(ばん・しげる)さん=2014年11月20日(ニュースペース・コム撮影)  日本の木材利用について考えるシンポジウム「木で、未来をつくろう2014」(実行委員会主催)が20日、東京都港区の増上寺で開かれた。

 持続可能な社会づくりが世界共通の課題となるなか、再生可能な資源である木材を使用した建築がヨーロッパを中心に見直されている。優れた木の建築と、木を扱う新しさや利点が注目されているためだ。シンポジウムは、日本の木の価値を見つめ直し、木材利用の拡大を通じて、森林の整備・保全や地球温暖化防止などに結びつけ、未来につなげていこうと開催するもの。

 シンポジウムでは、建築界のノーベル賞といわれる米プリツカー賞を受賞した建築家、坂茂(ばん・しげる)さんが「木材の可能性を考える~被災地支援から美術館まで」と題してトークショーを行った。坂さんは世界中の難民キャンプや災害被災地での紙(紙管)を使った仮設住宅のほか、仏・ポンピドーセンター分館の木造美術館やスイスの木造7階建て新聞社ビルなどでも知られる。

 坂さんは「日本はもっと木を使うべきだが、設計者が少なく、加工技術もヨーロッパに比べ遅れている。さらに耐火などで法の基準があまりにも厳しくて実情にあっていないなど課題がある」と指摘。しかし、「建築の構造材として再生可能なものは木しかない。木は使ってこそ森は元気になるし、木には新しい使い方がたくさんある」と強調した。

 このあと、「more trees」事務局長の水谷伸吉さんをコーディネーターに、林野庁木材利用課長の吉田誠さん、デザイナーの柴田文江さん、イトーキEconifa開発推進室長の末宗浩一さん、建築家の内海彩さんの4人がパネルディスカッションを行い、活発な議論を交わした。(ニュースペース・コム編集部、写真も/SANKEI EXPRESS

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