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「公共の場で授乳」英国で論争拡大 母親ら40人抗議…政界も巻き込む

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「公共の場で授乳」英国で論争拡大 母親ら40人抗議…政界も巻き込む

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子供の頭をナプキンで隠して授乳するよう注意したホテル「クラリッジス」前で抗議の授乳パフォーマンスを行う英国の女性たち=2014年12月6日、英国・首都ロンドン(ロイター)  公共の場で子供に授乳させる行為の是非について、英国で激しい論争が起きている。きっかけは、1人の女性が高級ホテルで授乳中、ホテル側から大きなナプキンで子供の頭を隠すように注意されたことだ。英国では2010年制定の「(男女)平等法」により、公共の場で授乳する女性に不利益を与える行為は性差別と見なされる。そこで、大勢のお母さんたちがホテル前に座り込んで授乳する抗議活動を展開したのだ。これに対し、英国内で急速に勢力を伸ばしつつある右派政党が公の場での授乳を控えるよう訴えるなど、騒動は政界も巻き込んで広がっている。

 「ナプキンで隠して」

 英紙デーリー・メールや英紙インディペンデント(いずれも電子版)によると、事の起こりは今月1日。五つ星で知られるロンドンの高級ホテル「クラリッジス」で母親らと食事を楽しんでいたルイーズ・バーンさん(35)が生後12週間の娘に授乳していたところ、ホテルの従業員が子供の頭を大きなナプキンで隠すよう命じたのだ。

 「とても目立たないように授乳していたのに…。泣きそうになりました。この子は3人目の子供です。上の2人は授乳に苦労しましたがトラブルはなかったので、ロンドンのど真ん中のホテルでこんなことを言われるとは想像していませんでした」

 12月2日付英紙ガーディアン(電子版)にその時の様子をこう振り返ったバーンさんは、ナプキンで子供を頭からすっぽり覆い隠して授乳する写真に添付する形で「反社会的にならないようにと、このばかげたナプキンで覆えと言われたわ」とのコメントをツイッターに投稿。しかし、直後に再びナプキンなしで授乳する写真とともに「これでよりはっきりした。こんな恥ずべきことは二度としない」とツイッターに投稿し、ホテル側の対応を批判した。

 「自然なこと」「配慮を」

 この投稿を機に、バーンさんの“同士”が団結。6日午後2時に約40人のお母さんたちがホテルのフロントドアの前に座り込んで授乳するという抗議活動に打って出た。

 生後18カ月の娘を連れて参加したエミリー・スローさん(28)はデーリー・メールなど複数の英メディアに、かつて人前で授乳をしたところ、フェイスブックで「あばずれ」と罵(ののし)られた過去を語り、「バーンさんに、不必要に目立たぬよう授乳しろと誰かが言った。これは法律違反だ。だから私はやってきた」と憤慨。さらに「こういうことが起きるたび、多くの女性たちが授乳を戸惑ってしまう。だからわれわれは、授乳が恥との考えに挑み、授乳は女性にとって普通で自然なことだと示すため、ここにいるのよ」と訴えた。

 ただ、ホテル側は公式ツイッターなどで、授乳は「容認」するが、女性側にも「他の客への配慮」が求められるとしてバーンさんへの注意は正当だったとする主張を変えていない。今回の騒動を報じる各メディア(電子版)のコメント欄にも「次はテーブルでおむつを替える気か」などと、女性側の権利乱用を諫(いさ)める声が一定数あるのは確かだ。

 政治家も相次ぎ参戦

 そうした中、この論争に参戦したのが反欧州連合(EU)を掲げる右派政党、英国独立党のナイジェル・ファレージ党首(50)だ。授乳の場所に関する規則は個々の施設などが決めるべきで「古い世代の人々は(授乳場面に)気まずさや戸惑いを感じる」と指摘し、女性に「隅に座る」よう求める場合があってもよいと訴えた。

 これに対し、保守党党首のデービッド・キャメロン首相(48)は広報を通じ「授乳は完全なる自然な行為であり、いかなる女性も公共での授乳時に不快な思いをすることは全く許容できない」とする声明を発表。平等法を念頭に今回のケースは法律違反であるとの見解を示唆(しさ)し、バーンさんらの主張を支持する姿勢を明確にしている。(SANKEI EXPRESS

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