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経済
ゴキブリ混入 「ペヤング」販売休止
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販売休止となり、都内のスーパーのカップ麺売り場から姿を消したカップ焼きそばの「ペヤング」=2014年12月11日、東京都江東区(川口良介撮影) カップ麺の「ペヤングソースやきそば」に虫が混入した疑いがある問題で、製造元の「まるか食品」(群馬県伊勢崎市)は11日、全工場での製造と、「ペヤングブランド」の商品25種類の販売を当面の間休止すると発表し、流通業者の手元にある全商品の回収を始めた。外部委託機関で分析した結果、製造過程で混入した可能性が否定できないと判断した。異物がゴキブリであることも判明したが、混入原因は不明だという。
今後、品質管理徹底を図るための改善策をまとめ、工場設備を改修するため、再開まで数カ月はかかる見通しという。
まるか食品は既に、異物が混入した疑いがある「ペヤング ハーフ&ハーフ激辛やきそば」「ペヤング ハーフ&ハーフカレーやきそば」(いずれも11月10日製造分)の2商品について、自主回収を決めている。
消費者の手元に渡っている商品についても希望すれば回収に応じることを決めた。着払いで商品を送れば代金は返還する。まるか食品は、「安全上問題ないと考えているが、消費者の不安を払拭するために実施することにした」と話している。
購入者が今月2日、異物が入った商品を購入したとして、写真などをツイッターに投稿。これがネット上で大きな問題となり、群馬県伊勢崎保健所が3日、「製造過程で混入した可能性は否定できない」と工場に立ち入り調査していた。
問い合わせは、まるか食品・お客様相談室フリーダイヤル0120・328189。
一方、発見されたゴキブリは加熱処理されていたことが11日、関係者への取材で分かった。まるか食品が外部機関に委託して実施した調査で判明したとされ、麺を油で揚げる前の「製造過程」で混入した可能性が高いことを改めて裏付けた格好だ。
まるか食品によると、混入していた虫は家庭でもよく見られる「クロゴキブリ」で、大きさは2センチほど。混入していたのは、体の一部ではなく、「目視でゴキブリだと分かる形」だったという。
まるか食品はこれまでの取材に対し、発見されたゴキブリには生体反応がなく、加熱処理されていたことを認めた上で、「ゴキブリが後から意図的に混入された可能性もある」との見方もしていた。
しかし、麺が油で揚げられた後やカップのふたをした後に混入した場合、ゴキブリに生体反応が出るとされ、「製造過程」で混入した可能性が強まっていた。ただ、ゴキブリに付着していた油がまるか食品で使用しているものと一致するかは、調査では判明しなかったという。
≪「食の安全」経営直撃 初動対応に批判≫
「ペヤングソースやきそば」に虫が混入していた問題で、「まるか食品」は発覚直後の初動対応が不十分との批判を消費者から受け、「全商品の生産販売休止」という業績にとって致命的な対応に追い込まれた。円安などで経営が苦しい食品メーカーは、「食の安全」への対応が重要な経営課題であることを、改めて突きつけられた格好だ。
「危機管理の意識が不足していた」。まるか食品の関係者は、一連の対応をこう振り返る。問題発覚直後の4日、まるか食品が発表したのは、同じラインで作られた商品2種類の自主回収のみ。まだ原因が不明にもかかわらず、「(製造過程での)混入は考えられない」とコメントした。
これに対し、全国から「食の安全への認識が甘い」という非難が殺到。今回、踏み込んだ対策をとらざるをえなかった。自主回収費用を補償するリコール保険にも未加入で、「業績への影響は大きい」としている。
初動の対応を誤り業績悪化を招いた例はほかにもあり、昨年12月に子会社旧「アクリフーズ」群馬工場で農薬が検出された「マルハニチロホールディングス(HD)」は、消費者による異臭の指摘から発表まで1カ月半もかかるなどして信頼を失墜。冷凍食品の販売が落ち込んで、2014年3月期の最終利益は前期比4割の大幅減となった。
大手食品メーカー関係者によると、「異物混入リスクはなくせない」と指摘。それだからこそ、業績への影響や信頼失墜を抑えるため、「リコール保険への加入や、原因の早期特定のための体制づくりといった危機管理が大切」という。
円安や原材料費の高騰は食品メーカーの減益要因となっており、各社は相次いで冷凍食品などを値上げしている。消費者の買い控えが広がる可能性もある中、「食の安全」への対応を誤れば、業績への一層の重しになりかねない。(SANKEI EXPRESS)