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社会
【Q&A】大学入試改革案 知識の活用力重視 記述・面接でも評価
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2014年の大学入試センター試験に臨む受験生=2014年1月18日、東京都文京区(共同) 中教審が知識偏重からの脱却を掲げ、大学入試改革案を答申しました。
Q 入試の形式をなぜ変えるのですか
A 答申は、今の大学入試は知識を問うことに偏り、1点刻みのペーパーテストのみで入学者を選抜していることを批判しています。知識の活用力や主体性など、実社会で通用する力を身に付ける教育に変えるために、入試改革が必要だとしています。
Q どのように変わりますか
A 現在の大学入試センター試験を「大学入学希望者学力評価テスト」に衣替えして、知識を活用する力などをみるテストにします。各大学の個別入試では学力評価テストの成績に加え、面接などで人物を多面的に評価して選抜するよう求めています。
Q いつから始まるのですか
A 学力評価テストは現在の小6が高3になる2020年度からの導入を目指しています。
Q どのような問題が出るのですか
A 今のセンター試験の解答方法は選択式だけですが、学力評価テストでは記述式も出ます。教科の枠組みを超えた新しい出題形式も導入し、英語は英検やTOEFLなどの外部試験の活用も検討します。成績は点数ではなく、段階別に示されます。
Q 知識を覚える必要はないのですか
A いいえ。19年度から高校生の学習到達度を測る「高校基礎学力テスト」を導入して、基礎的な知識を習得しているかをみます。国語など必修科目を対象に、解答方法は原則、選択式とし、記述式も出します。2年次から受験して就職時の学力証明や推薦入試などの参考に用いられます。
Q 一発勝負は変わらないのですか
A 2つの新テストは年に複数回受けることが可能で、学力評価テストは成績の良かったものを大学に提出できる予定です。
Q 具体像が見えません
A 文部科学省は年明けに専門家会議を設置して、何月に新テストを実施するか、どんな問題を出すのかなどを決めていく予定です。
Q 課題は何ですか
A 学力評価テストは50万人以上が受験することが予想され、その人数に対して記述式の採点は困難です。また、各大学の入試でも数万人規模の受験生がいるため、面接などの丁寧な選抜は難しいとの声も上がっています。本当に改革できるかは、新テストの制度設計にかかっています。
≪客観性の担保に懸念≫
大学入試改革は、少子高齢化やグローバル化など社会情勢の変化に迫られたものといえる。暗記に偏った「1点刻み」の現行入試では、試験結果が1点足りないばかりに不合格となり、潜在能力のある子供たちの「可能性の芽」を摘んでしまう懸念がある。
国公立大などの受験生にとって大学入試センター試験(1次試験)の点数評価で各大学の個別選抜(2次試験)を受験できなくなる「門前払い」の緩和にもつながり、可能性の幅が広がるとみられる。
一方、課題も山積しており、これまでの中教審部会の審議では慎重論も多数出された。個別選抜では面接などが重視されるが、客観性のある筆記試験に比べ、合否が面接官の主観に左右されかねないとの指摘も。金子元久・筑波大教授(高等教育論)は「社会的な合意ができないような基準を持ち出すことが適当かどうか疑問だ」と指摘。浜口道成・名古屋大総長も「事前に学習塾が教えたような答え方をされると本当の能力が分からない」としている。(SANKEI EXPRESS)