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初春の数の子顛末記 青木冨美子

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初春の数の子顛末記 青木冨美子

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松前漬けとニコライホーフの「イム・ヴァインゲビルゲ・グリューナー・フェルトリーナー・フェダーシュピール」=2015年1月3日(青木冨美子さん撮影)  【ワインのこころ】

 気分も新たに、今年もよろしくお願いいたします。初コラムは、9年の時を経て落着した“ワインと数の子”の話題です。

 毎年3日は旧知のメンバーとの新年会があり、お節とワインの相性を楽しんでいますが、唯一の悩みはワインと合わせたときに、生臭さが出てしまう数の子の存在。日本酒とならナイスマリアージュの数の子もワインとなると素直に向き合ってくれません。

 日本の甲州種、豪州ニュー・サウス・ウェールズ州のセミヨン種、そしてオーストリアのグリューナー・フェルトリーナー(以後グリューナー)種から造られる白ワインが和食に合うと思っています。なかでもグリューナーはユズなどの和かんきつ類、わさびなどの和の香辛料をバランスよく引きたててくれる魅力があります。

 オーストリアワインの世界シェアはわずか1%ですがニコライホーフの『イム・ヴァインゲビルゲ・グリューナー・フェルトリーナー・フェダーシュピール』=写真中央=のような秀逸なワインがあるので、絶対にはずせないワイン産地といえます。

 塩抜き後、下処理(日本酒に2晩漬け込む)した松前漬け=写真左=は昆布のミネラルと乾燥イカのアミノ酸効果で、グリューナーとは安心のマリアージュ。さらにメンバー全員を驚かせたのが、12月最後の「ワインのこころ」でご紹介したエトカルタ。白の銀ラベルは塩抜きして味付けした数の子=写真右=でも生臭さを感じさせない底力を発揮していたので、2006年からの相性チェックも「一件落着」。幸先の良いスタートになりました。(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS

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