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【仏紙銃撃テロ】中東で訓練 「自国育ち」テロ 銃撃容疑者、人質取り立てこもり

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【仏紙銃撃テロ】中東で訓練 「自国育ち」テロ 銃撃容疑者、人質取り立てこもり

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フランス週刊紙銃撃事件で、容疑者の兄弟を追ってパリ北東セーヌエマルヌ県ダマルタンアンゴエルの上空をヘリで飛ぶ治安部隊=2015年1月9日、フランス(AP)  フランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」の本社が銃撃され編集者ら12人が死亡した事件で、仏内務省は9日、パリ北東のセーヌエマルヌ県ダマルタンアンゴエルの工場団地にある建物に逃走中の容疑者兄弟2人が少なくとも1人の人質を取って立てこもり、捜査当局が包囲していることを明らかにした。一方、欧米のメディアによると、兄は中東のイエメンで国際テロ組織アルカーイダ系武装組織の軍事訓練を受けていたことが分かった。さらに、2人はフランスで生まれ育った「ホームグロウン(自国育ち)」のテロリストだったことが仏社会に衝撃を与え、事件はその対策の難しさを浮き彫りにした。

 ダマルタンアンゴエルはシャルル・ドゴール空港から約10キロ。英BBC放送によると、空港では滑走路の一部が一時閉鎖された。周辺地域では学校も閉鎖され、地元当局は住民に外出を控えるよう呼びかけた。

 「殉教者となる準備」

 立てこもっているのは、アルジェリア系フランス人のサイド・クアシ容疑者(34)とシェリフ・クアシ容疑者(32)の兄弟。2人は7日、パリ市内のシャルリー・エブド本社を銃撃し逃走。現場にサイド容疑者の身分証明書が残っていたことが特定につながった。8日朝には北部エヌ県のガソリンスタンドで食料などが強奪されたことから、捜査当局は周辺を中心に対テロ特殊部隊を含む約1万8000人規模で捜索を続けていた。警察当局が兄弟と交渉しているが、地元メディアは2人が「殉教者となる準備がある」と語ったと報じた。

 両親亡くし孤児院へ

 仏メディアによると、2人はパリ東部で生まれたが、幼少のころに両親が亡くなり、仏北西部レンヌにある孤児院で育った。成長してからは、2人とも体育インストラクターや宅配ピザの配達員などをして生計を立て、弟のシェリフ容疑者はラップスターになることを夢見ていたという。しかし、モスク(イスラム礼拝所)で知り合った者に感化されて過激思想に染まり、自動小銃の使い方などを習うようになっていった。

 シェリフ容疑者はその後、イラクのイスラム過激派と関わり、2005年、イラク渡航直前に逮捕され08年に懲役3年の実刑判決を受けた。1年半で出所したが、当時を知る弁護士は「刑務所生活で人が変わり、ほとんど口を利かなくなった。もともと、イスラム教にはそれほど関心も知識もなかったようで、今回の犯行も宗教だけが背景とは思えない」と話している。

 「移民の人権」課題

 一方、複数の米メディアは、兄のサイド容疑者が11年ごろ、イエメンでアルカーイダ系の武装組織「アラビア半島のアルカーイダ(AQAP)」で軍事訓練を受けていたと伝えた。また、兄弟のうち1人は過去1年以内にシリアに渡航した形跡があり、AP通信によると、2人とも米政府の入国禁止リストに入っていた。

 ホームグロウンのテロを未然に防ぐためには、国内のイスラム社会を監視する必要があるが、移民の人権尊重も重要な課題。若者の高い失業率や少数派(マイノリティー)への根強い差別意識の解消など、テロの根本的な原因を解決することが不可欠であり、新たな脅威に対しては抜本的な対策が急務だ。(SANKEI EXPRESS

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