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主役は子供 伝統行事「ファステラウン」 デンマーク
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ファステラウンの祭りで趣向を凝らしたコスチュームを着た子供たち。ぶら下げられた黒猫の樽を順番に木の棒でたたく=2014年2月28日、デンマーク・ボーゲンセ(銭本隆行さん撮影)
デンマーク人は「ファステラウンがあるからハロウィーンなんていらない」と言うことがある。それもそのはずで、「ファステラウン」は2月に行われる伝統行事で「ハロウィーン」のように仮装した子供が家庭を回ってお菓子を集める風習が残っている。
ファステラウンとは、イースター(復活祭)の49日前にデンマークなどの北欧諸国を中心に行われるキリスト教の行事。イースターの日付が年によって変わるため、今年はきょう2月15日がその日に当たる。
語源は、ドイツ北部の低地ドイツ語に由来するとされ、「断食前の夜」という意味。カトリック教会や一部プロテスタント教会では古来、イースター前46日目に当たる「灰の水曜日」からイースターまで断食が行われ、断食が始まる前の日曜日を「断食前の夜」と称し、祭りが開かれてきた。同じ時期に行われる「カーニバル」も起源はキリスト教の断食に由来しており、ラテン語で「肉を取り除く」という意味とされる。
ファステラウンは現在のデンマークでは、主に子供の祭りとなっている。幼稚園、学校、地域などで、子供たちはそれぞれに趣向を凝らした仮装をし、“猫が入った樽”を順番にたたいて割る。実際には猫は入っておらず、キャンディーやチョコレートなどが入っており、割れた瞬間に群がって“獲物”を奪い合う。
“猫”とは、黒猫を殺せばペストから逃れられるという中世の言い伝えが元になっているとされる。しかし、今では黒猫の絵や飾りを樽につけるだけである。
また、最近は以前ほど盛んではないが、子供たちが数人で地域の家庭を回ってお菓子をもらう風習もある。その時に歌う歌が以下である。
♪ファステラウンは自分の名前
パンをくれ
パンをくれなきゃ、大騒ぎするぞ
パンを上に、パンを下に
パンを自分のおなかに
パンをくれなきゃ、大騒ぎするぞ(※筆者訳)
パンとは、ファステラウンの時に食べる特製のもので、クリームがたっぷり詰まっていたり、パイ生地にジャムが入っていたりとさまざまである。昔はパンが多かったが、今はキャンディーやチョコレートが一般的である。
子供の祭り、と書いたが、もちろん大人が楽しんで悪いわけではない。この時期は、各地で大人が楽しむ仮装イベントやパーティーも開かれる。
筆者が勤めるデンマーク・ボーゲンセの日欧文化交流学院(ノアフュンス・フォルケホイスコーレ)でも毎年、仮装パーティーが開かれている。さて、今年はどんな仮装をしようか…。スーパーマン? 仮面の騎士? 相撲力士?(国民高等学校「日欧文化交流学院」(デンマーク名=ノアフュンス・フォルケホイスコーレ)学院長 銭本隆行、写真も/SANKEI EXPRESS)