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【世界自転車レース紀行】(24)タイ アジアのナンバーワン目指し熱戦
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U23カテゴリーで優勝し、チャンピオンジャージに袖を通した小石祐馬=2015年2月12日、タイ・ナコンラチャシマ(CCT_p/b_チャンピオンシステム) 毎年、開催国を代えて開催される「アジア選手権大会ロードレース」。今年はタイ・バンコクの北東にある地方都市、ナコンラチャシマを舞台にして、10~14日までの5日間で開催され、日本からも男女総勢18人の代表選手が参戦した。
今年のアジア選手権は、市街地を使った完全にフラットなコース設定であること、そして、昼間の暑さを避け、テレビ中継や、よりエンターテインメント性を高めるために午後8時にスタートする夜のレースとなった。ヨーロッパで開催される興行レースには、夜間開催されるものがあるが、公式大会として夜に自転車ロードレースが開催されるのはとても珍しいことだ。湿度が高くややかすんだタイの夜、街灯に照らされて、選手たちはスタートラインについた。
アジア選手権はその名前のとおり、アジアナンバーワンを決める大会。自転車ロードレースの本場はヨーロッパで、なかなかアジアでの大会は注目されないが、アジアの一国である日本にとって、ここでの成績が世界選手権への出場枠に大きく関わるなど、大きな意味をもつ大会となる。
また、今年の男子エリート(男子最高峰のカテゴリー)のレースでは、今大会での上位2カ国に、2016年に開催されるリオデジャネイロ五輪への特別出場枠が与えられるとあり、アジアの強豪国は例年以上に力を入れて参戦した。
≪五輪メダル獲得へ 期待と課題見えた≫
完全に平坦(へいたん)という独特なコースで開催された今年のアジア選手権。そのようなコースでは、集団でのゴールとなりやすく、爆発的なパワーをもつスプリンターが有利と考えられるが、絶対的なスプリンターのいない日本チームは、どのカテゴリーにおいても、アタックを仕掛けて前に選手を送り込み、集団ゴールスプリントを避ける作戦を取った。
大会1日目に開催されたジュニアカテゴリーでは、開幕レースとなったジュニア女子で梶原悠未(筑波大坂戸高校)が終盤になり単独でアタック。独走の末、勝利した。水泳から自転車競技に転向し、まだ競技を始めて2年という梶原だが、今大会ではトラックレースやタイムトライアルを含めて5つの種目で優勝。その圧倒的な強さをアピールし、東京五輪でのメダル獲得に向けて弾みをつけた。
続いて開催されたジュニア男子でも沢田桂太郎(東北高校)がチームワークを生かして優勝。大会初日は日本勢の2連勝となった。
2日目に開催されたのは、“プロ予備軍”と呼ばれるU23(23歳未満)男子とエリート女子。近年U23では、世界選手権への出場枠を逃がしており、ここでポイントを獲得することが選手たちに課せられた使命だった。そして積極的な走りを見せ、終盤は小石祐馬(CCT p/b チャンピオンシステム)がイラン人選手と逃げ切る展開となり、小石がロングスプリントを仕掛けて優勝。エリート女子は集団ゴールスプリントの展開となり、日本人選手の入賞はならなかったが、日本代表チームは3勝目を挙げた。
そしてロードレースの最終日となった3日目は、注目のエリート男子。日本チームはツール・ド・フランスなど第一線のレースで活躍する新城幸也(ユーロップカー)をエースとし、海外での経験豊富な4選手がスタートラインに並んだ。
序盤からハイペースが続き、アッという間に勝負は半分以下の選手に絞られる。内間康平(ブリヂストンアンカー)が先頭グループに入り、終盤になって新城もそこに合流。しかし、イランのベテラン選手が単独で先行し、少人数でのスプリントでもノーマークだったアラブ首長国連邦(UAE)に敗れてしまい、内間は3位でゴール。銅メダルを手にしたものの、うれしさの中に悔しさも交じる結果となった。
2016年のアジア選手権は日本で開催され、東京・伊豆大島がロードレースの舞台となる。(フリーランスカメラマン 田中苑子(そのこ)/SANKEI EXPRESS)