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和総菜にはグリューナー・フェルトリーナーが似合う 青木冨美子

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和総菜にはグリューナー・フェルトリーナーが似合う 青木冨美子

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肉ジャガと筑前煮に合わせたブリュンデルマイヤーのグリューナー・フェルトリーナー リード_ラム_カンプタール_レゼルヴ2004=2015年3月2日(青木冨美子さん撮影)  【ワインのこころ】

 「和風だしのうまみと甘さのバランスがワインと良く合うね!」

 オーストリアワインの普及・推進を担う『オーストリア・ワイン・マーケティング協会(AWMB)』主催のセミナーのあと、会場に用意された和食との相性探求で、この国のワインに精通するメンバーたちを喜ばせたマリアージュ。それがブリュンデルマイヤーのグリューナー・フェルトリーナー(GV) リード ラム カンプタール レゼルヴ2004と和の総菜“肉ジャガ”と“筑前煮”=写真=でした。

 GVはオーストリアの固有品種です。ラベルにある“ラム”はローム(粘土)のことで、石灰を含む粘土が畑を覆っています。

 ブリュンデルマイヤー氏はオーストリア屈指の生産者で、この2004年は彼の技量を見事に証明したワインといえます。

 収穫の時期はブドウの開花から約100日が目安です。ゆえに冷涼年で変化の多い気候だったこの年は開花が遅れ気味で、収穫は11月にずれ込みました。待ちきれずに摘んでしまった生産者と違って、忍耐強く健全果だけを摘み取る作業に集中した彼の04年ビンテージは、まるみがあって貴腐菌由来の豊潤さを備えた素晴らしいワインになりました。それらの要素が和総菜の甘さとうまみを絶妙に引き立てています。

 一方、若いビンテージのGVはミネラルと白コショウの特徴があるので、天ぷらや野菜類と合わせやすく、ワインが持つねっとり感とわさびも見事な相性です。(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS

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