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【東日本大震災4年】車窓の風景 時が止まったまま 南相馬市 福島・国道6号 常磐線代行バスで行く

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【東日本大震災4年】車窓の風景 時が止まったまま 南相馬市 福島・国道6号 常磐線代行バスで行く

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JR常磐線の竜田-原ノ町間を走る代行バス。双葉郡双葉町に入ると崩れたままの建物が目立った=2015年3月1日、福島県(早坂洋祐撮影)  東京電力福島第1原発事故の影響で不通が続いていた福島県内のJR常磐線、竜田(楢葉町)-原ノ町(南相馬市)間46キロで、代行バスの運行が始まって1カ月余り。当初、平日の乗客は4~5人にとどまっていたが、休日には20人近くが乗ることもある。運転本数は朝夕2往復に過ぎないが、利用者には貴重な足になっている。

 代行バスは昨秋、常磐線沿いに走る国道6号の自由通行再開を受け実現。原ノ町駅から南へ向かう上りバスから見た風景は被災地の現実を物語っていた。日常生活が戻りつつある原ノ町駅付近、除染や津波被害の復旧工事が続く南相馬市小高区と浪江町。帰還困難区域の双葉、大熊両町では荒れ果てた建物が道路の左右に連なり、なかには倒壊した家屋も。町中の時間が4年前で止まっていた。

 次に見えたのは福島第1原発の煙突と作業用のクレーン。富岡町では原発に向かう作業員のバスや、資材運搬のトラックとのすれ違いが一気に増えた。国道脇の仮置き場には、除染で出たゴミを入れたビニール袋が積まれていた。バスは約1時間で竜田駅に着いた。

 車窓を眺めていた桑折(こおり)礼子さん(67)=南相馬市鹿島区=は「震災後、初めて原発事故の状況を見た。自分が知るかつての町の雰囲気はなかった」と、言葉少なだった。

 一方、3月最初の日曜日、竜田駅を出発する下り代行バスには20人が乗り込んだ。地元の利用者だけでなく常磐線で北へ向かう旅行者も。乗客は原発事故で時が止まった被災地の光景に息を飲み、カメラのシャッターを切っていた。

 宮城県気仙沼市に向かう途中だった、愛知県岩倉市の農業、水野幸司さん(34)は「一部で除染が行われていたが、帰還困難区域は町に人の気配がなく異様。4年間も手つかずとは…」と、目の当たりにした現実に驚いていた。(写真報道局 早坂洋祐/SANKEI EXPRESS

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